《集い・駅舎文化の発展》と《結語》2024/07/11 07:02


   《集い・駅舎文化の発展》と《結語》<小人閑居日記 2012.7.14.>

 槇文彦さんは、第三の特性として《集い・駅舎文化の発展》を挙げる。 江戸・東京を例として、日本の鉄道=駅舎文化を分析する。
a.  江戸という封建社会における集いの場。 名所。
江戸の名所は、花見の場所や参詣する神社境内などで、そこがコミュニティーセンターにもなっていた。
b.  東京の近代化。 ヨーロッパ的首都構築の失敗の中での鉄道文化の発展。
c.  山手線(地価の安い谷の部分が多い、1925年リング状完成)・中央線から現在の東京の骨格を形成した。
d. 世界に比類をみない鉄道=地下鉄網の形成と駅周辺の都市機能の充実。
 都市の血流システムとしてうまく機能し、大きな役割を果たした。
e. 駅舎建築の多様性。
 東京駅(辰野金吾設計、1914-2012年)、京都駅(原広司設計、1997年、メガストラクチャー)、由布院駅(ポストモダン)、北海道函館本線・比羅夫駅。
f. コンパクトシティ。 未来の鉄道網。
 車に乗らなくなった高齢者も利用し易い。

 槇文彦さんは、ここで最近作を二つ紹介した。 今年8月に完成する静岡市清水区の清水文化会館。 駅と文化センターと清水港の波止場がつながっている。 東京電機大学が創立100周年記念事業として、今年4月に創設した東京千住キャンパス。 北千住の地価が、東京で一番の上昇率になった。 門がなく、一切が開かれており、図書館やキャフェ(イタリアン・トマトなども入っている)も、市民が使える。 槇さんも、構内に近くの幼稚園から遊びに来ているのを目撃したという。 新しい社会空間が生れて来ることが、期待される。

 《結語》これら三つの特性からあらわれる日本文化の特質、三つに共通のキーワードは「優しさ」である。 スムーズな行き来のできるシステム。 細かいところへの気配り、親切さ(水、風)、それが都市を住みやすくする。

 今日、グローバリゼーションが世界的に進行する中で、いかに地域文化を支えていくかは、大きな課題の一つである。 グローバルな交渉の中で、政治や経済の分野では、「優しさ」というキーワードは、あいまいで機能しないのが、一つの問題ではあるけれど。

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