福澤諭吉記念 慶應義塾史展示館「近代日本の格闘そのもの」 ― 2024/11/10 07:56
「福沢の近代化構想は実現したか」、その挫折の物語は、2021(令和3)年7月に開館した「福澤諭吉記念 慶應義塾史展示館」のコンセプトとなった。 私は2022年5月11日に、コロナ禍で久しぶりに行われた福沢諭吉協会の一日史蹟見学会で見学、都倉武之副館長の講演を聴いた。 都倉さんは、ミュージアムの構想と計画が何度も挫折していたことも語った後で、こんな話をした。 私は、それを慶應野球と福沢諭吉<等々力短信 第1155号 2022(令和4).5.25.>に、こう書いていた。
5月11日、ひさしぶりに福澤諭吉協会の一日史蹟見学会があった。 時節柄一日ではなく半日で、「慶應義塾展示館を見る」。 まず演説館で、展示館の開設を準備し、副館長を務める都倉武之さんの話を聴いた。 福澤諭吉記念 慶應義塾史展示館は、赤レンガの旧図書館の二階にあり、無料で一般公開されている(月~土 10時~18時)。
約150点の資料を展示する常設展示室(私の頃の大閲覧室)では、慶應義塾史=「近代日本の格闘そのもの」というコンセプトで、展示した。 福沢を語ることは、近代日本を語るということだ。 福沢の成功物語、完成した偉人伝として描くのではない。 格闘者、挫折者としての福沢、文字だけでなく、行動と激励の人だった福沢の不成功物語として描こうとした。 福沢の主張は結局かなりの部分、未完成で、まだまだほとんど実現していない。 現在進行形だから価値があり、その歴史が示す多くの未解決の課題を提示し、なぜ受け入れられなかったのか、なぜ実現しないかを来場者に考えてもらいたい。 福沢、慶應が本来秘めている激しい反骨精神を内外に意識づけたい、と言う。
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