柳家さん喬の「意地くらべ」後半 ― 2025/12/03 07:18
こんちは。 八さんじゃないか。 さっきは大きな声を出して…、堪忍しておくれ、倅にも叱られた。 お茶を淹れるから、こっちへおいで。 また、持って来やがったのか。 借りた銭じゃないんで、無尽に当たったんで。 どこの? いくら? とにかく、滞った店賃をみんな払って、酒屋、米屋、八百屋の借金も払った。 ちきしょう! 聞いて下さいよ、五十円借りてよかったんで、一と月で返そうと決めた。 下駄屋の旦那のところへ行って、腹に決めたんだ、返せなかったら、自分で自分に嘘をつくことになる。 受け取って、下せえ。 お前、自分で自分に嘘をつくんで返すってのか、偉え。 それならそうと、早く言え。 江戸っ子だ、男だよ。 だが今日は、受け取らない。 一と月だろう、貸したのは一日、今日は晦日だ、明日の昼、持って来い。 そうはいかない。 偉えから、明日にしろ、そう、言ってんだ。
一日待ちます。 明日の昼まで、ここにいる。 私は座ってる。 面白いな。 わかった、私も昼まで座ってる。 強情だね。 強情だ。 畳の隅から、こっちへ寄こすな。 互いに強情でなにより、明日の昼まで一杯やって、すき焼きでもやろう。 肉は、食わず嫌いで。 美味しい肉を食わせたい。 倅、肉屋へ行って、肉を買ってきてやれ。 江戸っ子だ。
鍋の支度をして、酒をどんどんおやり。 明日の昼までだが、倅、手間がかかるな。 おかしいな。 倅は気が短い、様子を見て来る。
あれ、あんな所に突っ立っている。 肉を買おうと思ったら、前に立ったこの人がどいてくれない。 二人で、ずっと睨み合っている。 倅さんかい、強情だね。 汽車に乗ろうと、駅へ行こうと思ってた。 二時間前に出たんだ。 いいか、負けるんじゃないぞ。 八っつあん、置いてきた。 いいよ、肉を買いに行って来な、その代わり、俺がずっと立っているから。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。