新・柳朝の「大どこの犬」2007/09/06 06:38

 春風亭朝之助改メ春風亭柳朝、一朝に入門して13年目、柳朝(五代目)も、そ の師匠彦六になった林家正蔵の高座も見ていない、という。 この日、新・柳 朝のおかげかトリを取った一朝を久しぶりにみたが、そう思って見るせいか、 江戸前のきっぷの良さで一世を風靡した、せんの柳朝に似たところがある。

 柳朝、朝之助の頃にも聴いたことのある「冷蔵庫と間男」の小噺から入る。  「はい、これから調書を取りますよ。私が閻魔様です」「赤鬼、天国へのパスポ ートを差し上げなさい」と軽いノリなのが、可笑しい。 最近のお役所は、だ いぶ応対がやわらかくなったが、閻魔の庁もそうらしい。

 「大どこの犬」は、上方のズバリ「鴻池の犬」という噺の東京演題だ。 「鴻 池の犬」だと、近所の犬社会を仕切っている親分的な存在で、豪華な布団やら 何やら、いかにも鴻池らしいセレブな生活のえげつない描写が笑わせるのだが、 「大どこの犬」だと、その辺がピンとこない。 「鴻池」というブランドは全 国区だから、上方風に堂々と演るべきだ。 柳朝、関西のご馳走が「美々卯の うどんすき」だけというのも、発想の貧困と勉強不足だろう。 大阪で子供に 小便をさせる時、「シーコイシーコイ」というのだそうだが、それにひっかけた 落ちは、東京では予備知識を与える「仕込み」が必要かもしれない。

 新・柳朝としての落語研究会初登場、ネタの選択を誤ったというほかない。