今までブログに書いた谷根千2020/12/15 07:03

 この辺り、いわゆる谷根千、谷中、根津、千駄木には、何度も来たことがあって、いろいろと書いてきた。 整理して、一覧にしておく。

懐かしの昭和「谷根千ウォーク」<小人閑居日記 2005.9.9.>
根津「はん亭」の話<小人閑居日記 2005.9.10.>
谷根千と美校・音校<小人閑居日記 2005.9.12.>
志ん生の谷中<小人閑居日記 2005.10.8.>
根津遊郭、隣に帝国大学ができて移転<小人閑居日記 2005.11.24.>
根津遊郭は「地獄」か「極楽」か<小人閑居日記 2005.11.25.>
上野の山「花見の仇討」地図<小人閑居日記 2006.3.4.>
谷中の朝倉彫塑館で<小人閑居日記 2006.11.5.>
三崎坂から「へび道」へ<小人閑居日記 2006.11.6.>
鴎外ゆかりの宿で東京の温泉体験<小人閑居日記 2006.11.7.>
藝大美術館「パリへ 洋画家たち百年の夢」展<小人閑居日記 2007.5.27.>
「夏潮」土曜句会・上野湯島吟行<小人閑居日記 2008. 9.22.>
上野湯島吟行の選句と結果<小人閑居日記 2008. 9.23.>
ハンマースホイの静謐<等々力短信 第993号 2008.11.25.>
谷根千散歩、「乃池」の穴子すし<小人閑居日記 2011. 11. 8.>
「枇杷の会」上野周辺吟行<小人閑居日記 2012. 2. 4.>
上野吟行、浅草大黒家での句会<小人閑居日記 2012. 2. 5.>
「枇杷の会」の谷根千吟行<小人閑居日記 2012. 5. 31.>
本駒込、文京区勤労福祉会館の句会<小人閑居日記 2012. 6. 1.>
大村益次郎の知恵、現場主義と最短距離<小人閑居日記 2016.10.3.>
大村益次郎の上野戦争<小人閑居日記 2016.10.4.>
芥川龍之介と田端文士村記念館<小人閑居日記 2016.10.11.>
田端から上野・本郷両台地の谷間を歩く<小人閑居日記 2016.10.12.>
昼食でホッと、湯島から駿河台へ<小人閑居日記 2016.10.13.>
谷中掃苔〔昔、書いた福沢78〕<小人閑居日記 2019.7.19.>
谷中と遣欧使節〔昔、書いた福沢79〕<小人閑居日記 2019.7.20.>

三田あるこう会、全生庵圓朝の墓と「ぽん太之墓」2020/12/11 07:02

 12月6日、第528回三田あるこう会で、千駄木から谷中、上野まで歩いた。 10時半の千代田線の千駄木駅集合だが、駅は上り下りの二層になっているため、「団子坂」方面改札から外に出て集合する。 まず、全生庵へ。 山岡鉄舟や三遊亭圓朝の墓所へ行ったが、圓朝の墓の左隅に「ぽん太之墓」というのがある。 それについて、ブログにする前に書いたことがあった。

        「ぽん太之墓」<小人閑居日記 2001.12.14.>

 9月、虎鶇・佐怒賀正美さんがASAHIネットで開いておられる光塵句会を拝見していたら、不孤・中原徳子さんの「盆花の草臥れてをりぽん太の墓」が話題になっていた。 「ぽん太之墓」は、谷中全生庵の三遊亭圓朝居士のお墓の傍らにある。 中原さんが、「馴染の芸妓さんかしら、そうだったらいいなぁ、と思ったのでした。 どなたかご存知の方いらっしゃいましたら教えて下さいませ」と書いておられたので、調べてみた。 句会に書き込もうとしたら、句会参加者以外の書き込みができず、以下のメールを中原さんに送った。

 ぽん太は、残念ながら圓朝の馴染の芸者ではなく、三遊亭ぽん太、愛弟子だそうです。 永井啓夫さんの『三遊亭圓朝』(青蛙房)の「墓所」の項に、「その傍らには愛弟子で、円朝より早く世を去ったぽん太の墓がある」とあります。

 三遊亭ぽん太は、圓朝がまだ若い28歳の慶應2年頃に、弟子入りした愛弟子で、愛嬌者として知られていたそうです。 もともと、出入りの髪結いの下剃りで、勝公といい、またぽん太と愛称されていた由、愚直ながらも愛嬌のある性格が圓朝に愛されて、その弟子になったということです。 圓朝の墓側面の「耳しひて聞き定めけり露の音」は、圓朝の辞世だそうです。

志ん生の「大津絵」と小泉信三さん2020/10/25 07:47

 「大津絵」というと、このエピソードが思い浮かぶ。 大津絵節という俗曲は、江戸時代後期から明治にかけて全国的に大流行した三味線伴奏の短い歌謡で、宴席の座興や寄席で歌われた。 大津絵節の名は、近江国大津の追分・大谷あたりで売られた庶民の絵「追分絵」が、東海道を往来する旅人の土産物として喜ばれて、全国に「大津絵」の名で知られるようになり、その画材をよみこんで、元禄の終わり頃(1700年)から大津の遊里柴屋町の遊女たちが唄い始めたことによる呼び名と考えられるのだそうだ。

 小泉信三さんは、古今亭志ん生がたいへんな贔屓で、志ん生が病気で倒れる何年か前までは、毎年、暮の数え日という頃に、志ん生を座敷に呼んだという。 ある時、柳橋の料亭で、志ん生が「大津絵」の「冬の夜に」をうたうのを聴いて、小泉さんは突然ハンケチを眼にあてて泣いた。 それからは、三田の家でも、広尾に移ってからも、志ん生を呼んで、一席やってもらった後、これをうたうと、家族がいるなかで、小泉さんは泣いた。 「声にあわれがあっていい」といい、うたが始まる前からハンカチを用意していた。(今村武雄著『小泉信三伝』)

 安藤鶴夫さんは、志ん生から、毎年、師走がちかづくと、ことしも、小泉先生にきかせんだな、と思って、それがなんだかまちどおしかった、と聞いている。

 冬の夜に風が吹く
 しらせの半鐘がジャンと鳴りゃ
 これさ女房わらじ出せ
 刺子襦袢に火事頭巾
 四十八組おいおいに
 お掛り衆の下知をうけ
 出て行きゃ女房はそのあとで
 うがい手水にその身を清め
 今宵うちのひとになぁ
 今宵
 うちのひとに怪我のないように
 南無妙法蓮華経 清正公菩薩
 ありゃりゃんりゅうとの掛け声で勇みゆき
 ほんにおまえはままならぬ
 もしもこの子が男の子なら
 おまえの商売させやせぬぞえ
 罪じゃもの

 安藤鶴夫さんが、このあいだ、人形町の末広の前を通りかかったら、日曜の昼席に、志ん生の独演会があって、番外として、小泉信三先生をしのんで、冬の夜の大津絵うたいます、と書いてあった。 こんどは、志ん生がうたいながら、泣く番になった。 と、昭和41(1966)年8・9月号の『三田評論』追悼・小泉信三号「小泉先生と落語」に、書いている。

『紘辞苑』から(『現代語裏辞典』落選編)2020/08/29 07:01

 『現代語裏辞典』「お助け」に応募したものは、ブログにする以前、電子フォーラム時代の<小人閑居日記>に、結果を含め『紘辞苑』として出していた。 その『紘辞苑』から、あえなく落選となったものの中で、自分としてはけっこう自信のあったものを拾ってみた。 こういうのを「死んだ子の年を数える」というのだろう。

けじらみ【毛虱】陰毛、痒い痒い、それでも漏らさず。
ゲバラ【Guevara】死刑判決を受けた時「チェ」と言った人。
ゲバルト【Gewalt】二人逮捕しようとすると、1時間半はかかる。「ゲバゲバ90分」
けんしき【見識】「世界人類皆兄弟」
こうしえん【甲子園】その土を小袋詰めにして、商売になる唯一の球場。
こうとうえん【喉頭炎】のどが赤くなる病気。
こうとうがん【喉頭癌】のどが赤くなり、顔が青くなる病気。
ごえつどうしゅう【呉越同舟】犬がお客のお猿電車。
こぞう【小僧】こども店員。
ごほう【誤報】牛蒡の赤いものが人参だという情報。
ゴルフ【golf】教えたがり菌の付着したボールをホールに入れる球技。
こんじゃくものがたり【今昔物語】メジャーリーグに日本人助っ人。
しきしゃ【指揮者】存在意義への疑念を、身体で晴らそうとしている人。
しつらくえん【失楽園】その後、アダムとイブがやっている焼肉屋。
しょうじゃひつめつ【生者必滅】葬儀屋の座右の銘。
すいか【西瓜】「壊れますので、改札機に押しつけないで下さい。」
ぜっきょう【絶叫】「こちらムンク美術館、今『叫び』が強奪されました!」
ぞうしゅうわい【贈収賄】記憶力の弱い人に金品を渡す危険な取引。
たいない【胎内】胃ノ下羊水。
だば【駄馬】肉も食えない馬。
だんどり【段取り】銀行の金庫の下までトンネルを掘ること。
ちくでん【逐電】運転士が失踪して電車が不通になること。
ちち【乳】巨をもって貴しとなす。
ちゅうづり【宙吊り】精子の温度管理に神様が考えた方法。
ちゅうぶう【中風】良くない「ヨイヨイ」。
ついおく【追憶】クローデット・コルベールとアン・ブライスとバーブラ・ストレイザンドが、ごっちゃになること。
てんぐ【天狗】昔の人が目撃したクラーク・ケント。
どうりょう【同僚】上役がこの言葉を使う場合、割り勘になる。
とうろくしょうひょう【登録商標】「ウンコの力」
トラウマ【Trauma】馬と競走した虎が、馬に負けて以来、負っている心の傷。

【雑学】【私家版】【怒髪】2020/08/28 07:00

『現代語裏辞典』、試みに二、三、やってみていただくと、わかるのだが、そう簡単に浮ぶものではない。 なかなか大変だ。 大体三十の「お助け」項目が出題され、半日か一日の間に、それも先に書き込まれると使えないので、急がなければならない。 脳内在庫勝負のようなところもあれば、一発芸のようなところもある。 一時はまったく浮ばなくなって、しばらく書き込めなかった時期もあった。 結局、「文は人なり」で、自分の器だけの範囲にしか届かない。 自分自身を笑えるか、知の臭いがするかが、ユーモアのポイントだろう。 幸運にもたくさん採用されたのには、趣味の落語など雑学のおかげや、筒井さんに年齢が近いという利点もあったように思う。

グリコ【Glico】おまけについてくる不要の飴。
ごほう【午砲】静かならざるドン。
ざつがく【雑学】馬鹿な辞典を作る以外は役に立たない。
しかばん【私家版】出版社に断わられ、身銭を切って出す本。
しかんがっこう【士官学校】帽子を上手に放り投げる訓練をする学校。
そうせいじ【双生児】兄はウインナー、弟はボローニャ。
そんごくう【孫悟空】呉承恩がエノケンのために作ったキャラクター。
ちょうわ【調和】この国民にこの政府。
ちょくげき【直撃】キャッチャーが泣き、ベンチとスタンドが笑うもの。
でんきゅう【電球】三遊亭歌笑「球の切れたのは、停電用にお使いください」
どはつ【怒髪】ある種の人々には絶対に不可能な怒りの表現方法。
ヌーボーロマン【nouveau roman】与太郎が主人公の、つかみどころのない小説。
ぬけめ【抜け目】洗って干してある義眼。
ハイ・ソサエティ【high society】サッチモから見たグレース・ケリー。
パワー【power】名は、タイロン。
もんだいじ【問題児】歳とると問題爺。