花緑の「厩火事」と名物プロデューサー2007/09/07 06:34

 花緑は、前座の頃から20年来ているわけだけれど、落語研究会の雰囲気、 この空気には慣れない、という。 18歳で二ッ目になった時も、真打になった 時も、出させてもらったのだが…。 真打昇進の時は白井良幹(りょうかん、正 しくは「よしもと」と読むらしい)さんという名物プロデューサーに、「ネタお ろし」の「厩火事」をやれと言われて、今日と同じ「厩火事」をやった。 (調 べると、小緑で二ッ目になった18歳の平成元(1989)年9月27日の第257回に 「たぬき」をやり、花緑で真打になって「厩火事」をやったのは平成6(1994) 年4月20日の第310回のことだった。) 若くして真打になったから「七光」 といわれ、パーティーで小さんが何とか言ってくれるかと思ったら「祖父だか ら十四光です」。 22歳でこの夫婦の噺をやったのだから、どうだったか、あ の時より謙虚になったことだけは確かだ。 「縁」が、この噺の中心だ、と。

 白井良幹さん、お顔は劇場の入口でずっと見ていた。 去年の暮、花緑のお じさんの三語楼が六代目柳家小さんを襲名して、第462回に山田洋次作「真二 つ」をやった時のプログラムに、白井さんが生前、三語楼に「そろそろ勝負し なきゃあ」と言ってやらせたこのネタで、三語楼は芸術祭の大賞を取り、その 自信が小さん襲名につながったと、長井好弘さんが書いていた。 白井良幹さ ん、声は小さくソフトだが、演じ手の少ない埋もれた噺を「あなた、これをや りなさい」と、注文というより有無を言わせず命令した。 小三治の「小言念 仏」、歌丸の「牡丹燈籠」、さん喬の「雪の瀬川」なども、そうなのだそうだ。