「先手を打て、予防と早期治療で、多くのがんは治る」 ― 2026/05/10 07:33
「最新! がん克服のカギ」「驚きの新対策発見スペシャル」つづき。 「がん克服のカギ」④「“がんを休眠させる”新発想」。 2025年、百万人規模のビッグデータで、「新型コロナウイルスに陽性だった人は、がんの進行が大幅に早まる」ことが判った。 コロラド大学のジェームズ・デグレブリ教授(アンシェッソ生化学・分子遺伝学)、死亡リスクは最大8倍になる。 アルバ―ト・アインシュタイン大学のフリオ・アゲオレーギン教授、眠った(休眠)がん細胞だと症状が現れない。 ウイルスががん細胞を増殖するのだが、免疫システムを活性化させるインターロイキン(IL-6)という物質が、休眠状態だったがん細胞を目覚めさせ、再発や転移を起すことが判った。 カギは、「“がんを休眠させる”新発想」。 ロンドン大学がん研究所のルカ・マニャーニ教授、がん細胞を眠らせ続けることができれば、突破口になるかもしれない、と。
「がん克服のカギ」⑤「ヒトはなぜ、がんになるのか」。 われわれ人間の体は、たった一個の受精卵が、成人では40兆個に細胞分裂して拡大していく。 その遺伝子のコピー・ミスが、がんの遺伝子変異を生む。 がん細胞の、正常細胞との違いは、遺伝子にある。 それだけではない。 英ウェルカム・サンダー研究所のフィル・ジョーンズ シニア・リーダーは、50歳のがんでない眼瞼下垂の人の「まぶた」を切除して、その1/3の細胞にがんの遺伝子変異を見つけた。 がんの遺伝子変異が起こったのは、いったい何時なのか? 京都大学の垣内伸之特定准教授(白眉センター・消化器内科)は、70代男性の食道の細胞を、「さかのぼり系統解析」で調べると、50代、20代にがん変異が見られ、最初は13歳だった。 81歳の男性では、生まれた時から変異があった。 人間の体は、たった一個の受精卵が、成人では40兆個に細胞分裂していく。 フィル・ジョーンズ氏は、その間に、がんの遺伝子を持った細胞が生まれてくることは、避けることができない、と言う。
「いつどのように、がん細胞になっていくのか?」 英フランシス・クリック研究所のチャールズ・スワントン教授は、TRACER X試験で肺がんを5年間追跡して、がん細胞に「進化」が起こり、多様ながんを生み出すことを発見した。 免疫を逃れたり、薬の耐性を得たりする。 がんは、細胞が生存競争をくりかえした結果ともいえる。 かのチャールス・ダーウィンは、「生存に有利なものが生き残り子孫を残す」と言った。 進化のルールが、がんを生み出す。 でも、山中伸弥さんは、「がん克服は、いつか来る」と。
小川誠司教授は、がんの遺伝子変異を持つ細胞が、加齢とともに、数百億個、数千億個、蓄積する、これは「宿命」だ、と。 「朗報」がある。 肺がんは、煙草を喫うかどうかで大きく違うが、数年の禁煙でも変る。 40兆個の細胞の生態系だ、許容範囲がある。 先手を打つこと、予防と早期治療ができれば、多くのがんは治る。 40歳から、がん検診をすること。
「最新! がん克服のカギ」「驚きの新対策発見」 ― 2026/05/09 07:14
NHK総合テレビ『タモリ山中伸弥の!?(#びっくりはてな)』、最新5月2日放送は「最新! がん克服のカギ」「驚きの新対策発見スペシャル」だった。
「がん克服のカギ」① 「有酸素運動」。 ASCO米国臨床腫瘍学会2025の年次総会で、大腸がんの死亡率を30%と大きく下げる研究が発表され、満場の拍手を浴びた。 「ある特別な運動プログラム」、「有酸素運動」軽く汗をかくぐらいの運動を20分ほど続けることで…。 治療に加えて行えばよく、また予防にも効果がある。 イェール大学のレイチェル・ベリー教授の研究によれば、がんの取り込む糖の量が少なくなり、その分、糖は肺や心臓に送られる。(兵糧攻め) 京都大学の小川誠司教授(腫瘍生物学)、がんは正常細胞の20倍の糖を食う、それは約100年前「ワールブルク効果」として知られていたが、100年かかって、この対策にたどりついた。 タンパク質からも、糖は合成される。
「ある特別な運動プログラム」、ブリティッシュ・コロンビア大学のシャーリーン・ギル博士は運動の目標を、週10メッツ(METs・時)の強度と量だとする。 1メッツは、早歩き10分、ゆっくりジョギング9分、ランニング7分などなので、例えば、週に早歩き10分を4日、ゆっくりジョギングを2日やればよいことになる。 そうした運動が、癖になることがいい。
「がん克服のカギ」② 「なぜ、がんが怖いのか?」 マテオ・ロゴリオ助教授は、血液中のがん細胞や遺伝子や、がんで亡くなった方をすぐに解剖する研究で、ある日(亡くなった日)にがん細胞が急に増えることを確認した。 巨大な血栓、がんの塊が出来、血管を詰まらせる。 名古屋大学の榎本篤教授(腫瘍生物学)は、がん細胞が正常細胞の線維芽細胞を操作し、悪玉の線維芽細胞をつくることを発見、その悪玉の助けでがん細胞が増殖することを確認した。 これには、周りから攻略する方法があり、ビタミンAの一種、合成レチノイドで、悪玉を善玉に戻してやればいい。 治療薬を開発し、従来の薬と組み合わせることを目指している。
2018年にノーベル賞を受賞した本庶佑博士のような免疫の研究も進んでいる。 「将を射んと欲すれば、まず馬を射よ」。
「がん克服のカギ」③「安静ではなく、安全に動くがんリハビリ」。 男性の63.3%、女性の50.8%が、がんになるといわれる。 がんになると、身体的にも、経済的にも負担が大きい。 広島大学病院は、新しい「がん克服のカギ」を実施している。 肺がんで、肺の一部を切除する手術を受けた患者。 翌日には歩き、数日後にはマシンで運動をしている。 「がんリハビリ」。 安静にしたらあかん、少ししんどいが元気になる。 ロボット手術で、身体への負担が少なかった。 それには、「手術前リハビリ」をしていた。 20分の「有酸素運動」と、6日間の筋トレ。 イギリスのシェフィールドでも、2024年、「がんリハビリ」で1年後生存率が10%高まった。 慶應義塾大学の辻哲也教授(リハビリテーション医学)は、数年前から「がんリハビリ」で筋肉量を増やしている、カギは「安静ではなく、安全に動くリハビリ」。 がんの治療は、手術、薬剤、放射線の三つのほかに、一定の体力が必要。 副作用が軽減、三つの治療のほかに、自分でやれる第4の治療として、治療の核になっていく。
諸行無常が現実肯定を生む、あきらめの中のポジティブ ― 2026/05/08 07:01
神・仏合体。 熊野三山の熊野那智大社、門のところに青岸渡寺があり、仁王の裏に狛犬。 神仏習合。 寺と神社が、一体としてつながっている。 那智の滝は、神そのもの、しぶきと岩肌に千手観音の形。 神仏習合は、千年以上、普通に行われてきた。
吉田一彦教授は、平安時代末、本地垂迹説が出来る。 本地は仏、垂迹は仮の姿(神)。 神は、実は仏様なのである。 習合は、仏教の文化、両者はウィンウィンの関係。 神様は土地に縛られなくなって、分社が全国に展開する文化が、1100年くらい続いた。 明治になって分離したが、人々の心の中では分離しなかった。
磯田道史さんは、1212年鴨長明の『方丈記』「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」という無常観。 日本三大随筆の一つ、世界的にすごい哲学。 京都の南、日野、1155~1216年、3m四方の方丈庵に暮らす。 1177年安元の大火、1181年養和の飢饉、1185年元暦の大地震が起こり、無常を感じた。 「その主と栖(すみか)と、無常を争うさま、いはば朝顔の露にことならず」「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまるためしなし。世の中にある人と栖(すみか)と、又かくのごとし。」 諸行は無常である、というのが仏教の根本。 無常感が、現実肯定を生む。 あきらめの中の、ポジティブ。
903年、菅原道真死去。 怨霊から、善神となって、947年、北野天満宮に祀られる。 立教大学の滝口正哉教授、神のルーツは江戸時代、百万都市江戸の賑わい、浅草寺は神仏のデパートで、境内に100以上ある。 かんかん地蔵(銭塚地蔵堂)は大日如来。 新宿、太宗寺の奪衣婆。 富士塚は200もある。 経済活動が活発になり、祈りのバリエーションが増えて、娯楽化、エンタメ化した。 葛飾区南蔵院の「しばられ地蔵」、大岡越前守の物語に始まる。 流行り神だらけ、楽しくなければ、信心じゃない。 実は、江戸時代も災害が多かった。 祈りの力は、医学でも働く、と山中伸弥さん。
陸前高田市は東日本大震災で、1800人超す死者、行方不明者を出した。 海岸山普門寺熊谷光洋住職のところに、全国から仏像が送られて来る、千体仏、マリア様まで、宗派を超えて…。 それぞれの人が、五百羅漢を彫ることで、ゆっくり立ちどまって考える。 気仙沼市岩井崎「龍の松」、津波で大きな被害を受けた松だが、大きく幹と折れた枝が、まるで龍の姿に見える。 磯田道史さんは、「幸(さきは)ふ」、先にはってのびてゆくのが幸い、祈ることだ、と。 タモリは、天に祈るのは、宗教じゃない、と。
「“ニッポンの祈り”、なぜ“神さま、仏さま”なのか」 ― 2026/05/07 07:08
NHK総合テレビ『タモリ山中伸弥の!?(#びっくりはてな)』、3月7日は「世界も注目“ニッポンの祈り”、なぜ“神さま、仏さま”なのか?」だった。 吉岡里帆、吉村崇(平成ノブシコブシ)。 初詣に8千万人~9千万人が出かける、日本人が祈る理由は何なのか。 1400万年前、紀伊半島に象やワニがいた頃、超巨大噴火があり、1千万年前までに紀伊半島の地形が形成された。 那智の滝、ゴトビキ岩など、巨岩、奇岩がある。 神戸大学の巽好幸教授(マグマ学)は、凝灰岩(火山灰が固まった)、花崗斑岩(マグマが固まった)で、依代(よりしろ)として自然を神として祀った。 古座川の一枚岩、高さ100m、幅500mの、一塊の岩。 こうした自然信仰は、恐山、立山にも。
中央構造線(まったく異なる地質が接する日本最大級の断層線)に沿って、上諏訪大社、下諏訪大社、豊川稲荷、伊勢神宮、高野山、石鎚山がある。 畏怖から祈りへ。 荒ぶる大地と共存する。 土地の神、外来の神、祖先の神、神話の神。
飛鳥時代、6世紀半ば、仏教伝来。 710年、平城京遷都。 734年、天平(6年)の大地震。 735年、疫病大流行。 岡山大学の今津勝紀教授(文明動態学研究所)、天平の大地震は『続日本紀』に記録があり、生駒断層帯の活断層が38㎞に渡り同時に動き、応神天皇陵とされる古墳が崩れた。 聖武天皇は4月7日に異常を感じた、震度5~6、中心部は震度7、大阪南部の狭山池の堤が崩壊し、平城京一帯に被害が出た。 聖武天皇は、「徳が欠けた、私一人の所為だ」とし、仏の力に頼るため、写経を命じた。 一切経、五千巻。 安民在業、及生類。 一年後、疫病が九州から都へ、三年間のパンデミックで、人口の1/3、100万人から150万人が死んだ。 天然痘か、はしかと考えられている。 名古屋市立大学の吉田一彦教授(日本宗教史)、聖武天皇は仏教に重点化し、全国に国分寺、国分尼寺を建て、東大寺の大仏を建立した。
磯田道史さんは、都には地震で全国から人が集まり、仏教では文字によってリアルに説明があり、そこに人はすがる。 人間が具体的にできることがある。
災害と向き合いながら生きる、正しく恐れることが大事 ― 2026/05/06 06:59
九州では9万年前の「阿蘇カルデラ」、3万年前の「姶良(あいら)カルデラ」の、超巨大噴火があったと、九州大学の枽畑光博教授(火山災害考古学)。 生きるためには、祈ることしかできなかった。 自然への畏怖、畏敬の念が、出土する生活用の道具、特殊な装身具に表れている。 玦状(けつじょう)耳飾り、耳に通して装着するピアスで、蛇紋岩などでできている。 貝輪(ブレスレット)。 ごく少数なので、平等な社会にあって、シャーマン的な呪術師がいたと考えられる。
愛知東邦大学の松永昌宏教授(生理学)は、日本人には遺伝子に特別な系統、D-M55という日本に特徴的な遺伝子を持つ人が多いという。 友達の数が多い。 1.4倍。 コミュニティーが広く、人と人とのつながりが出来る人が、日本人の中では生き残っている。 骨からDNAを採取すると、縄文の人が持っていた。 東京都立大学の山田康弘教授(考古学)は、集団で暮らしていた、三内丸山遺跡のように、数十人、数百人単位で住んでいた。 世界に例がない。 人と人が協力して生き残ったのだろう、と。
弥生時代も、地震大国で、紀元前100年より前に、弥生大地震、推定M9.0以上があった。 斎野裕彦日本災害・防災考古学会副会長の地質調査によると、海に近い低地で、津波の層の堆積物が、水田耕作土の上にあり、水田が廃絶したと考えられるという。 稲作を放棄し、雑穀で生活したらしい。 再び水田耕作が行なわれるのは、350年頃で、M7以上の地震、巨大津波から行ったり来たりの生活は、災害と向き合いながらの我慢強さ、はざまで揺れ動く現実を肯定する生活を生んだと考える。
弥生時代、温帯ジャポニカ、日本の気候に合った米の品種が出来た。 災害が多発する日本列島で、自然の豊かな恩恵を受けて、生きてきた。
古墳が、古墳時代の人の津波対策だったと、斎野裕彦さんは考える。 広い平野の中での古墳の位置を見ると、津波が押し寄せてきたライン上に前方後円墳を作って、津波防災の道しるべにした。 農地化と同時に、この上に逃げろと、津波を忘れないための、防災のランドマークにした。
松永昌宏教授は、日本人の80%は、不安を感じやすい、と。 欧米は40%、アフリカは30%。 セロトニントランスポーターS型遺伝子という、不安遺伝子を持つ。 セロトニンは幸せホルモンで、感情をコントロールして回収する。 S型不安遺伝子は、危機察知能力が高い(うつ病になりやすいか?)、仲間をつくりやすい。 集団性が、生き残りにつながる。
巽好幸教授によると、「鬼界カルデラ」では、今も火山ガスが猛烈に湧き出す。 海底温度は50℃、今も活動は活発なのか? 世界一強力で、地下20㎞までスキャンできるエアガン(音波発生装置)を300位設置している。 2㎞~7㎞に、400㎦の巨大なマグマ塊がある。 100年後、1000年後に、この地域で、最大400㎦のマグマを噴き上げる大噴火が起きる可能性がある。 予測に挑み始めており、全長190㎞の光ファイバーケーブルで、数ミリの変化を見張っている。 100年に1%、M7、M8と同じクラスの地震が起きる可能性がある。 これは99%大丈夫だと思える数字ではない、50年の猶予期間に対策が取れる可能性があるということだ。
それでも、われわれは日本列島で生きていく。 無常観、美しいもの、桜散る下で宴会を享楽する、強烈な現状肯定。 そこに暮らすことに感謝の念を持ち、正しく恐れることが大事だ。 枽畑光博教授は、そうした試練に対し、覚悟を持って取り組むことが大事で、できるだけ被害を少なくすることが、「変動帯」の民の責務ではないか、と。 巨大災害で大絶滅、文化の断絶の可能性もあるとする。 遺跡に、その中で命をつないだ人たちの痕跡が見られることは、私たちにとって大きな希望であると言う。
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