定年後、学校に入り直す2008/10/29 06:39

 大学同期の平井一麥(かずみ)さんから、文春新書で新刊の著書『六十一歳 の大学生、父 野口冨士男の遺した一万枚の日記に挑む』をいただいた。 最近、 長い題名の本が流行っているようだが、これも長い。 著者の思いがこもって いるとともに、いっぺんに事情も分かる。 平井さんとは、卒業25年の記念 事業の実行委員会で知り合った。 小説など読んでいて、野口冨士男という名 前を知っている者が、仲間内には少なかったのか、言葉を交わし、「等々力短信」 を読んでもらうようになった。

 彼は法学部法律学科を出て京成電鉄に入社、78年オリエンタルランドに出向 して東京ディズニーランドの立ち上げに関わり、ケーブルテレビ会社にも勤務 した。 定年後の人生の選択には、いろいろな形があるものだ。 2003年、サ ラリーマン生活を終えると、なんと文学部に学士入学し、学生に戻った。 女 子学生の多い、当然若い学友と、コンパにも出かけるという話は聞いていた。  幼い頃からTDLにずっと親しんで来た彼ら彼女らに、それを立ち上げた同級 生が、たちまち受け入れられたのは、ラッキーだった、と本にある。

 学校に戻ったのは、題名にある通り、お父上の私小説を中心にした純文学作 家、野口冨士男さんの遺した厖大な日記を整理するためだったが、慶應の文学 部には「現代文学」を教える先生がいなかった。 やむなく「日本社会論」平 野敏政教授の社会学専攻から、切り込むことにした、という。