古今亭志ん公の「万病円」 ― 2010/11/27 07:21
25日は、第509回落語研究会。
「万病円」 古今亭 志ん公
「景清」 古今亭 菊之丞
「野ざらし」 柳家 さん喬
仲入
「のっぺらぼう」 柳家 一琴
「二階ぞめき」 柳家 小満ん
古今亭志ん公、志ん五(研究会では見ない顔)の弟子だそうで、平成11年 入門、静岡県藤枝の出身だからか「いち五」、平成15年二ツ目となり志ん公を 名乗る。 頭を刈上げて、噺家らしい風貌だ。 「万病円」、あまり演らない噺である。 士農工商の士(侍)が威張っていて、 無礼打などと、好き勝手にしていた。 湯屋の湯ぶねで源氏の旗のようにフン ドシを洗っている奴がいる。 額に面ずれの跡があるから侍、大小は差してい ないが、真ん中に抜身一本、立派な物。 一緒になった客が汚いから湯銭を返 せと番台に掛け合う。 ほかの連中も話を聞きつけ、次々と返すはめになる。 二度受け取ろうとして、断わられる奴もいる。 番台が侍に汚いからと注意す ると、覆い隠すものを洗って何が悪い、覆い隠される方のものは湯の中に入る ではないか、などと屁理屈をこね、明日は奥の腰巻を洗おうか、湯銭六文、細 かいのがない、慶長小判ならある、屋敷に取りに来い、肥後の熊本だ、などと 勝手放題。 よろしゅうございます、となる。
つぎは餅菓子屋、白の大福餅が四文、赤も四文、食紅など手がかかっている のに、なぜ同じかと聞き、みな四文、いくら食べても四文は四文という言葉尻 をとらえて、つぎつぎに食う。 うぐいす餅、鳴かんな。 そば饅頭、そば粉 は信州か、遠いな、遠くてもそば饅頭とはこれいかに、小僧、近くても豆腐屋、 うまいな。 きんつば、腰高饅頭、と食べて四文出して行こうとする。 四文 かける四つで十六文と追いかけると、いくら食べても四文と言ったではないか、 と。
次は口の悪い商売といわれる古着屋。 一通り揃っているかと聞くと、ない 物はないという。 座布団、三角のはあるか? 胡坐をかくため。 僧衣(こ ろも)の紋付? 未だかつてない、というと「ない物はない」といったではな いか、古着屋「ある物はある、ない物はない」 袷(あわせ)の綿入れ? 袖 などに口綿の入っているのがあって、一分と二百、安いな、まけろ、では二百 というと、一分引いて二百にさせられる。 くやしいな、ぬすっと、を聞きと がめられ、もそっと。 この屁をかぎなさい、が、へいお帰りなさい、と申し たと。
紙屋、びんぼう紙や、神(かみ)の紙と聞かれ、ただの美濃紙を出し「はば かりでふくの紙」。 紙屋は薬も商う。 そこの薬「万病円」とあるが、四百四 病というではないか、と難癖。 名を集めると万病だと、そろばんを入れさせ、 二日酔いで、足す二、三日ばしかで足す三、とうにょう病で足す十、十二指腸 潰瘍で足す十二、二重アゴで足す二十、耳鳴りで三十三、四十肩、五十肩、六 十肩、百日咳、風邪は引くものだと、これは差っ引かれたが、オー一五七、男 の疝気疝癪(せんしゃく)、女の産前産後、一つで万もございます、手前ども気 の臆病、億がだめなら、腸閉塞。
志ん公、けっこう新しい病気なども入れ、「たった一つで腸満と申します」と やらなかったところなどが良かった。 まずまずの出来。
最近のコメント