「レッドソックス国家」苦難の歴史 ― 2008/02/08 07:44
1月21日の「読んでみたい本」に挙げたアンドリュー・ゴードン著、篠原一 郎訳『日本人が知らない松坂メジャー革命』(朝日新書)を読んだ。 アンドリ ュー・ゴードンさんは、1952年ボストン生れ、ハーバード大学で博士号を取得 (歴史・東アジア言語専攻)、95年に同大学歴史学部教授、98~2004年同大学 エドウィン・O・ライシャワー日本研究所所長。 夫人は、美枝さんという名 だ。
ボストンを中心とするニューイングランドには「レッドソックス国家」とい うものがある。 ゴードンさんも、その熱烈な市民の一人だ。 この国家には 楽観党と悲観党があるが、国民投票をした場合、悲観党が圧勝するのは間違い ない、という。 2004年になんと86年ぶりに、ワールドシリーズ優勝を果す まで、この弱小球団を応援することで味わってきた数々の過去の苦い経験が、 その市民たちを運命論者にしてきた。 たとえば1986年のメッツとのワール ドシリーズ、3勝2敗で迎えた第6戦、延長10回に2点を勝ち越し、その裏 のメッツの攻撃も二死無走者、優勝まであとひとり、2ストライクと迫りなが ら、3連打とワイルドピッチで同点、一塁ゴロをビル・ハックナーがトンネル してサヨナラ負け、第7戦も大敗した。 だからレッドソックス国民は、平清 盛から西郷隆盛まで、悲劇の英雄に代表される「失敗の高貴」を賞賛する国家 というイメージがある日本に、特別の親近感を持っているという。
憎っくき敵は、あのペン・ストライプのヤンキース、「悪の帝国」、「ブロンク ス・ボンバーズ」だ。 「宿敵」と呼ぶには疑問がある。 一世紀を超す両者 の関係は、ヤンキースの「一人勝ち」の連続だからだ。 20世紀初頭の20年、 レッドソックス(ボストン・アメリカンズ)は最強で、ヤンキース(ハイラン ダース)は最下位争いの定連だった。 1907年にレッドソックスとなり、1914 年にベーブ・ルースが入団、1915年、16年、18年とワールドシリーズを制覇 した。 しかし1920年、悪名高いトレードでベーブ・ルースがヤンキースに 移籍してから、テーブルがひっくりかえった。 以後2000年まで、ヤンキー スのワールドシリーズ制覇は26回、レッドソックスはゼロだった。
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