柳家さん喬の「そば清」前半 ― 2024/05/24 07:00
さん喬は、陽気定まらず、季節感が無くなった、夏から秋が無くて7月には冬が来るのか、と始めた。 召し上がりものも、苺、メロンが一年中ある。 野菜も、キュウリ、茄子、トマトが、いつもある。 前は、夏のもぎりキュウリ、トゲトゲで黄色い花が咲いていた。 今は、ツルッとしている。 パキッと折って、味噌をつけて食う。 パキッ……、中国なら北京(反省しつつ)、フランスならパリッ(また、反省)。 トマトは、青いものだった、頭がピンクで、そのグラデーションがよかった。 ガバッとかじる、味もよく、母がおやつに氷に載せて出してくれる、清涼感があった。 スイカもかじって、タネを飛ばす。 「秋茄子は嫁に食わすな」というが、秋になるとタネが少なくなるので、子種に関係して言ったものだという。 蕎麦も、季節感がある。 秋に新そばが出て、店にはポスターが出る。 去年と同じ所に貼ってある店もある、同じポスターか。
町内に、一つは蕎麦屋があったものだ。 もり三枚、サラッとたいらげた男、お代はここに置いときます、「どーも」。 あれなら、十枚は食えるね、江戸っ子だね。 二十枚は食えるだろう。 芳っちゃん…、食える? 食えない? 食える? 蕎麦の賭けをやらないか、俺が一分出す。 六さん、お前なんで首をかしげてるんだ。 よくわからないんだ、もりそばで、賭けそばするんが…。
「どーも」、こんにちは、大勢さんがお揃いで。 昨日の食べ方に感心した、江戸っ子のお遊びをやらないか、二十枚で一分差し上げる。 もし二十枚食えなければ、一分出してもらって、一緒に酒を飲んで友達になろうってんだ。 こちらの町内に引っ越して来たばかりで、引っ越し蕎麦のご挨拶もしていない、負けを承知でやらせていただきましょう。 頂戴いたします、ツ、ツ、ツーーッ。 今年は、よう雨が降りますな。 残りは? 十九、いっちゃった。 あと一枚、食べられるかな。 ツッと、食べ、ヘッ! そば湯を注いで、ガブガブやって、飲む。食ったじゃないか。 その日の調子でして。 この一分、いただいて参ります、「どーも」。 明日、三十枚二分でやろう。 それは、とてもとても、でも、こちらの町内に引っ越して来たばかりで、引っ越し蕎麦のご挨拶もしていない、負けを承知でやらせていただきましょう。
昨日よりも早い、三十枚ズルッ、ズルッ、ズルッっと、たちまちたいらげて、三分受け取り、「どーも」。 すごいね、腹の中に「富士そば」って書いてあるんじゃないのか。 誰だ、笑ってんのは。 あの人、知らないの、「そばの清兵衛さん、そば清」っていって、そばの賭けで家を三軒建てた。 ふだんは、三、四十枚でやってる。 五十枚はやったことがない、明日一両でやろう。
「どーも」と来たが、五十枚、一両、今日はお腹の調子がと、プイと逃げた。
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