<トニー谷何ン残暑てふ暑さかな>2025/09/23 07:07

 「今月の歌です」と、フランク・シナトラの「セプテンバー・ソング」をバックに、映画『旅愁』(1950年)のナポリやボンベイのモノクロのスチール写真がたくさん流れるのが、LINEで来た。 それを、「ジェーン・フォンテインとジョセフ・コットン、懐かしい!」と、拡散すると、ある友人が「大昔、トニー谷というコメディアンが日本語英語混じりで、そろばん?持って喋りまくってたの記憶ありますか? 彼は二枚目のハリウッドスターを、タイロン・クーパー、グレゴリー・コットンって、言ってた」と、来た。 トニー谷、もちろん、よく覚えている。 先頃は、<トニー谷何ン残暑てふ暑さかな>という俳句を作った。 落語好きだから、俳句もつい川柳ぽくなるのだが、俳句では、せいぜいこの程度で、短歌だとなかなかのものができるようだ。

 昨日の朝日新聞朝刊、「朝日歌壇」の「番外地」には笑った。 選にはもれたもののユーモアあふれる秀歌を、年に一度、紹介しているもので、今回は4月からの選者を務めている川野里子さんが選んだ。 日々の生活には、可笑しさがあふれている。

 啄木をブタギと読みて嗤(わら)われし吾も年老いてじっと手を見る  清水基義

 「生(い)きくらげ」こりゃまたなんとよく見れば「生(なま)きくらげ」が売られています  太田千鶴子

 「新聞を取っていない人がいるそうね。天ぷらはどうするのかしら」と叔母  上田結香

新札はつばめのように飛んでゆくアスリートだったか渋沢栄一  斎藤哲哉

 父親はよく自らの病名をキーパーソンと自慢してた  脇本俊雄

 張り紙に「てのひらほどのクサガメが逃げました。めちゃくちゃ無口です」  佐々木ひろみち