桃月庵白酒の「水屋の富」 ― 2012/07/30 01:52
派手なピンクの着物と羽織、すっきりとして、いやな色ではない。 五街道 雲助の弟子、この会ではお馴染みで、あとの歌武蔵と太目が並ぶことになった。 なでしこジャパンが初戦のカナダに勝った日、寝不足のお客様が多いだろうが、 私も。 お祭りごとで、夜中にやっているのがいい、遠くでやっているという 感じがする。 寝ぼけてテレビをつけたら、イチローがヤンキースのユニフォ ーム、それも31番で出ている。 これは罰ゲ―ムかな、と思った。 「刺戟 を求めて」だという。 大リーグも、最初は珍しい、外人ばっかり、とか。 慣 れて来ると、醒めてくるのだろう。 私は鹿児島の出で、日没とともに消灯と いう所に育った。 自然に囲まれていて、いいだろうと言われるが、訳がわか らない、自然に囲まれてみやがれ、と思う。 早朝、獣が歩いている、よく見 ると、単に爺ィが散歩しているだけだった。 全ては、慣れだ。 近くに西郷 隆盛の座禅石があって、公園になっている。 文化遺産だけれど、小さい時は メンコの台にしていた。 ピラミッドなんかも、地元の人はただ邪魔なんだろ う。
霧島連峰天然水、身体によい水とかいって評判だけれど、普通の水、小さい 時から飲んでいた。 時代をさかのぼると、水事情がよろしくない本所、深川 に、飲み水を売る水屋さんという商売があった。 玉川上水、神田上水から汲 んだ水だろう。 蕎麦が十六文の頃に、一回四文(しもん)、必ず必要なもので、 一種の公共サービス、同じ時間に回り、一日として休めない、俺がやらなきゃ あ誰がやるという気概があった。 今の政治家は、名誉と地位とお金だけだが …。
本所の水屋、やめたいけれど、やめる手立てがない。 店でも出すまとまっ た金が欲しいと、富札を買う。 毎日毎日、神様に鄭重にお願いをするので、 うざったくなった神様が千両を当てた。 一両、十万円として、一億円。 当 たった、当たったと興奮し、係に張り倒されて、やや落ち着く。 来年二月な ら千両、今すぐは二割引かれて八百両。 八百両というのは、千両の八倍です か、下さい、下さい。 かみさんもらって、小間物屋の店でも出して、女に囲 まれて暮そう。 しかし、水屋をやめるには、代りを見つけなければならない。 見つかるまでは、商売に出なければならない。 金はどうする。 いろいろと 考えて最後は、縁の下に、釘を打って下げる。
それからの心配が大変だ、目つきの悪い奴がいる、挨拶した女は手引きをし ているのか、子供が竹の棒を持っている、見慣れない犬だな。 夜も寝られず、 どんどん衰弱してくる。 教訓、余分な金など持たない貧しい日頃の暮しこそ貴重だという、妙に実感 のあるお噺。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。