『花蓮陀の本 慈』横田武さんの詩2025/05/07 07:01

 『花蓮陀(かれんだ)の本 慈』(手鞠舎)は、昭和62(1987)年1月5日に、詩を書いた横田武さんから頂いた本だ。 序は、渡辺誠弥さん、画は佐藤勝彦さん。 横田武さんの、こんな詩があり、それぞれに佐藤勝彦さんの仏さまの画がついている。

   顔

人さまの顔は
見えるのに
自分の顔は
見えない

人さまのことは
わかるのに
自分のことは
わからない

このように造られた
ふしぎをおもう

   わたし

これっぽっちしか
できないんです

それでいい
それでいいのですね

あれも これも
ではなくて

あれか これか
なのですね

   天来の惠

長寿の要諦は
粗食
ですと

まったく
有難いことに
ござります

ひかえて
ひかえて

   日々

生かされて
ある
よろこびを
くらしの
なかに

   ねむり

一日のおわりに
ねむりがあり

一生のおわりに
ねむりがあり

平安なる
ねむりのために
一日一生がある
ふと
そんな想念