「夏場所」と「鉄線花」の句会2012/05/14 02:40

 雷が鳴って、雨と突風注意という10日、「夏潮」渋谷句会だった。 ちょっ と東横のれん街に寄ったら、夕方なのに心なしか空いていたのは、ヒカリエが 出来たからだろう。 兼題は「夏場所」と「鉄線花」で、私はつぎの七句を出 した。

川風に裾ひるがへし五月場所

夏場所や鬢付けの香の殊の外

大川の風を袂に五月場所

夏場所や桟敷につきてまづビール

空豆を食めばたちまち土俵入

鉄線の花を潜りて刀自を訪ふ

鉄線花きりり紫つんとして

 結果は、〈川風に裾ひるがへし五月場所〉を英主宰・さえさん、〈夏場所や鬢 付けの香の殊の外〉を英主宰・ひろしさん・梓渕さん・幸雄さん、〈大川の風を 袂に五月場所〉を英主宰、〈鉄線の花を潜りて刀自を訪ふ〉を英主宰・ななさん・ 梓渕さんが採ってくれた。 主宰選4句、互選6票、計10票だった。 思わ ず、一喜してしまう。

 主宰の選評。 季題「夏場所」は、からっとして、明るい、軽い、少し浮つ いた気分、色気がある、はねても明るい時間帯。 〈川風に裾ひるがへし五月 場所〉…洋装ではなく、力士の浴衣、序の口、序二段あたりの力士か。 〈夏 場所や鬢付けの香の殊の外〉…下五「殊の外」の、軽い置きようは虚子流の文 末表現。技が冴えて来た。夏場所に鬢付けの香りが強いかどうかはともかくも、 気分としては、そうである。 〈大川の風を袂に五月場所〉…堂々たるリズム、 ゆったりとしている、こせこせしていない。 〈鉄線の花を潜りて刀自を訪ふ〉 …「潜りて」で鉄線の花になっている、クレマチスのアーチではない。

 「堂々たるリズム」と、過褒の言葉を頂戴した句、あとで“浪花節”だ、と 気が付いた。 「利根の川風、袂に入れて…」

 私が選句したのは、つぎの七句だった。

夏場所のはねて明るき橋わたる     英

大川の風清々し五月場所        梓渕

砂被りに粋な単(ひとえ)や五月場所  なな

幼な顔の力士電車に五月場所      さえ

手打蕎麦売切御免鉄線花        和子

窓辺からピアノソナタや鉄線花     淳子

垣根越し平らに咲ける鉄線花      淳子