「修讀院釋清優」児玉清さん2011/05/24 06:43

 児玉清さん。 昨年の大河ドラマ『龍馬伝』の、龍馬の父・八平役が忘れ難 い。 冒頭、坂本家が代々の殿様の墓の警護を務めていることが紹介された。  雨の中でも、前を見て、じっと立っている長身の、あの姿。 世の中を見たい と、江戸への剣術修行を願い出る龍馬に、一旦は堤防工事の差配を命ずる。 龍 馬は現場で、二つの村のいがみ合いを見、農民には下士でさえ拒絶されること を知る。 そして、江戸への出立に際して与えた、父の言葉。

 テレビで見ると戒名は「修讀院釋清優」らしく、読書家なのは、新潮社の『波』 などで、古くから知っていた。 ただ、主たる分野が海外エンターテイメント だったので、私とはちょっと合わないところがあった。 近年は、BSの「週 刊ブックレビュー」の司会者として、お馴染みだった。 忙しい人が、合評する本と特集の本、月に合せて四冊(上下巻なんてのもある)を読むのは、さぞ 大変だったろうが、的確なコメントをつけていた。

 たとえば、第139回直木賞の井上荒野さんの『切羽へ』の特集で、こんなこ とを言っていた。 「サスペンスティック、静かな中に暗雲、稲光、嵐の一歩 前、起きそうで起きない、嫌な感じ。 美談にはしたくない、疑っているとこ ろがある。 妻って、妖怪なのね。」

 映画監督の東陽一さんが「女性の存在の強さ」と推薦した、森まゆみ著『断 髪のモダンガール 42人の大正快女伝』(文藝春秋)は、「知らない人が、浮か び上がる」と評した。

スポーツ・ライターの玉木正之さんが「私たちが学んだ世界史は、何だった のか」と推薦し、私が買ってしまった林佳世子著『オスマン帝国500年の平和』 (講談社・興亡の世界史 第10巻)については、一言「エピソードだけでも面 白い」と言った。 すみません、児玉さん、買っただけで、まだ読んでいませ ん。