中村メイコさんの「聴かせる力」 ― 2014/07/23 06:32
2歳でエノケンの映画『江戸っ子健ちゃん』でデビュー、名子役で鳴らした から、女優の芸歴は77年になる。 だが、代表作というものがない。 女優 は結婚しては駄目なのかしらと言うと、みんな、結婚をして3人の子を育てて いたのだからと、言ってくれるのだが、杉村春子さんは違った。 それはそう よ、私なんか、夫が3人、先に死んだわよ。
今後、やりたい役は? 日本のお婆さんの役は、みんな暗いのよね。 アン ミツ姫が、そのまま年取ったというようなのをやりたい。
『夫とふたりきり』(青春出版社)という本があるそうだが、家族で賑やかに 暮らしていたのが、みんなが巣立って二人きりになって、困った。 目が合っ ても、何を話せばいいのか。 最近は、クイズ番組で上げる○×の札みたいに、 プラスチックの匙に2、3、4と書いたのを用意してある。 その話は2度聞 いたという時は、2を上げる。 それで喧嘩にはならない。
午前4時頃、「三角形の面積の出し方は、どうだっけ?」などと、寝ている 神津さんに訊く。 丁寧に答えてくれる。 それが、老夫婦のベッド・トーク。 とても面白い子ども番組をやっているのを、目が覚めて、見ているから。 い ろいろと質問されるのは、どこかの家と同じだ。
神津さんが、今日、本が届くから受け取っておいて、と。 どこから? ア マゾンから。 エーーッ、そんなに遠くから、アマゾンだなんて、水で濡れな いの?
大親友だった美空ひばりは、メイコさんの家にだけは、ママの許しが出て、 泊りに来ていた。 夫婦の大きなダブルベッドに、川の字に寝る。 それがメ イコさんの外側でなく、「私は真ん中」と、夫婦の間に寝る。 「美空ひばりは、 センターに決まっている」と。 神津善行さん、さぞ緊張しただろう。 終りの曲には、その美空ひばりだと一小節で涙が出るのでと、ナット・キング・コールの「トゥー・ヤング」を選んだ。
こうして書いてみると、中村メイコさんのトークの面白さを、きちんと伝え られたか、私の「書く力」は、はなはだ心許無い。 中村メイコさんには『人 生の終いじたく』(青春出版社)、新刊の『メイコの食卓』(KADOKAWA)とい う本もあるそうだ。
最近のコメント