猫額庭の春2006/04/11 07:06

 猫額庭が花盛りである。 会社を閉めた時、庭から持ってきた桃が、ぼてっ とした白い花をつけている。 毎年球根を頂くチューリップが、今年はそうい う種類だったのか、よく伸びてすんなり咲いている。 赤は背が高く、黄色は 少し低い。 実は、毎年球根を送ってくださるTさんが、昨年の9月に亡くな った。 今年の球根は、跡を継いだ息子さんが、送ってくださったので、花が 咲いてみると、一入の感がある。

そろそろクロッカスは終わりだが、青紫色のムスカリが葡萄状の花をもたげ ている。 これは一つの鉢に同系色が並んで、地味な鉢になってしまった。 去 年、咲いているところを頂いたフリージアが、律儀に咲き出した。 自然の不 思議を思う。 たくさんある黄色が早く、一本だけ混じっている白はまだこれ からだ。

  藤が白い花を開き始めた。 古い株で、何年か、ちらほらとしか咲かなかっ たのを、元の社員がやって来た時、水を張った中に鉢を入れておくとよいと教 えてくれた。 公園の藤棚は池のそばにあるでしょうといわれて、さっそく試 してみると、去年から長い花房をたらすようになった。 藤が咲くと、中卒の 集団就職で福島から上京、ガラス職人として四十数年を誠心誠意働き、最後の 片付けまで手伝ってくれた、その人のことを思い出すことになった。