『つむじ風食堂の夜』を読んだ訳2009/04/24 07:06

 新聞一面下の出版広告は、三段を8分割しているから「さんやつ」というの だそうだ。 株式会社筑摩書房、ちくま文庫の「さんやつ」に、いかれたのだ。  一冊だけ出して、「あなたはまだ、この面白い小説を知らない」と来た。 どう もすみません、知りませんでした、とSOFT BANKのお兄さんになる。 吉田 篤弘さんの『つむじ風食堂の夜』。

装幀の仕事をしているクラフト・エヴィング商會の名前は知っていた。 B S2の週刊ブックレビューのタイトル画は毎週のように見ている。 クラフト・ エヴィング商會というのは、吉田篤弘さんとパートナーの吉田浩美さんが、著 作と装幀の仕事をする名義であり、その活動とは別に吉田篤弘さんは小説作品 を発表しているのだそうだ。

 そこで『つむじ風食堂の夜』の舞台になっている月舟町だが、日本人が住ん でいるのに、クラフト・エヴィング商會の絵や、安野光雅さんの絵本の町のよ うに、国籍不明である。 どちらかというと、北欧か何かの町のような気がす る。

 ある種の雰囲気のようなものは伝わってくるけれど、よく分からない話であ る。 「あなたはまだ、この面白い小説を知らない」と言ったのは、青山ブッ クセンター六本木店の間室道子さんで、この本はその店で三年連続、売り上げ 第一位なのだそうだ。 この手の本が、若い女性たちの好んで読む本なのであ ろう。 私はまだ、この小説の面白さが、分からない。