「軽やかな手紙」と、返信の皮算用 ― 2009/04/29 07:10
『今日も ていねいに。』に、手紙を書こう、ひらひら、軽やかに、手紙がゆ きかう、そんな世界はすてきだという、「軽やかな手紙」という一文がある。 手 紙をもらうことが大好きで、手紙は気持が伝わると信じているから、手紙を書 く、と松浦弥太郎さんはいう。 「自分が毎日、手紙を書けば、二日おきぐら いに、誰かしらから手紙が来ます」とある。
私が34年前に「等々力短信」を始めたのは、一つには手紙の楽しみを復活 させたいと思ったからである。 50人に月に3回の葉書を出せば、その内の5 人に1人ぐらいは、月に一度なら返事を出してくれるだろう。 そうすれば、 毎日必ず一通はだれかから手紙が来るはずだという皮算用であった。 満二年 目の72号で、こんな愚痴をこぼしている。
「DMしか来ない手紙貧困の世界に投じたこの一石が波紋をよんで、感想や 批判、質問が殺到し、手紙の往復によるピンポンのような知的交流によって創 造の輪は広がり、同じ個人通信を始める人もネズミ算的に増加、元祖の私へ愛 好者団体や郵政省からネズミ講式リベートが集中、金はもういらない……と、 いう所で目が覚めた。 実は初めの目論見が全くはずれ、返信はごく少ない。」
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