桂吉坊の「冬の遊び」後半 ― 2025/08/03 07:23
お富、よう連れて来てくれた。 栴檀、座ったらどうだ、立派なもんだ、知盛、よう似合っている。 衣装は何枚だ? 六枚。 汗一つ、かいてない。 皆、冬の着物に着替えよう、丹前など…。 芸人衆は、冬の着物など、手元にない、どこぞの蔵に預けている。
一八です、遅うなりました。 向う先の見えぬ芸人やな。 扇子バタバタやって、セミの羽みたいな着物を着て。 しくじったか! お帳場、冬の着物はちょっとお蔵入りなんで、袷(あわせ)に長襦袢三枚、着物二枚、綿入れ、帯をぐるぐる巻きにして、ビロードの羽織。 暑い!
えらい、寒いことでっすな。 なんで、唐紙入れないんです、炭を熾して、火鉢を。 スズキの洗いに、冷奴は駄目。 鍋に、茶碗蒸を。 一八は、お帳場さん、動かれへん。 運び込め。 化け物やな。 着物の中から、顔出してる。 寒さの厳しい日で、新町中、氷柱が下がっております。 唐紙入れて、真夏の密室、宣徳銅器の火鉢に炭を熾し、鍋。 取り敢えず、茶碗蒸が出来てます。 冷え性なんで、懐炉を三つずつ。 一八に、してやられたな。 一つ、踊れ! 冬のもんを、弾いて下さい。 (鳴り物が入る)「御所のお庭」、手首しか動かれへん。 扇子を持たせろ。 手が悴(かじか)んでます。 隙間から、懐炉を突っ込め。
一八、着物を脱いで、飛び出し、井戸の水をザブーーッ、ザブーーッ、とかぶる。 一八、何をやってるんだ? 寒行の真似をしております。
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