花緑の「蟇の油」と志の輔の「千両みかん」 ― 2005/06/05 10:49
柳家花緑「蟇の油」。 今回、祖父は出さなかったが、9歳から噺をしている とは、言った。 そんなこと客は百も承知なので、やめたほうがいい。 いろ んな所で演じるという。 先日は、麻布のバーのカウンター上に座って演った。 題して「至近距離ライブ」。 大阪の中学校で「初天神」を45分、質問コーナ ー15分。 一時間、シーンとしていた。 生徒達がそんなに長く静かに話を聞 いたことはないと、校長先生は褒めてくれたが…、複雑な心境。 上がってき た1年A組の感想を読むと、みんなよく聴いて褒めている。 そうか、受けな くったっていいんだ、と思った。 が、その逆もある。 受けたからって、い いわけじゃないんだ。 落語研究会のように…。
「蟇の油」の口上は、武張って格調があり、立て板に水。 拍手が沸く。 た だ一回やって、酔ったあとで、もう一儲けと再びやって失敗する演出。 ふつ うやるように香具師と客の掛け合いや、口上の繰り返しで笑わせるのにくらべ、 あっさりしすぎていて、この噺の面白さを殺いでしまった感じがした。
立川志の輔「千両みかん」。 気の病の若旦那、理由を訊きにいく番頭がラー メン屋のチャルメラの節で「わかだ~~んナ」と部屋に入り、カツ丼でも取り ましょうか、という。 若旦那が恋焦がれているものは「やわらかな、みずみ ずしい、つゆのたっぷりある、きいろの」みかん。 日本橋のみかん問屋「千 惣」(万惣でないのは、初めて聴く)は、「置いていない」を言いたくないために、 何十年ののれんにかける心意気で、真夏でも五十箱を囲ってあった。 千両を 志の輔は、今の8億円から1億円と換算した。 たっぷり聴かせるストーリー・ テリングであった。
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