三好和義さんの写真展「帝のまなざし」2011/09/11 04:53

 9日、六本木・東京ミッドタウンのフジフイルム スクエアでこの日から始ま った三好和義さんの写真展「帝のまなざし 京都の御所と離宮」を見てきた。  世界中の「楽園」を撮りつづける写真家が、京都御所、仙洞御所、修学院離宮、 桂離宮を、宮内庁の特別許可を得て、四季折々の最高の瞬間に撮影したものだ。  大型のパネルに引き伸ばされた写真は、どれも明るく華やか、隅々まで鮮明で、 ちょっと美し過ぎると感じるほどだ。

幸運なことに、ちょうど三好和義さんのギャラリー・トークの時間にあたっ て、作品を見ながらの説明を聞くことができた。 坊主頭で、金色のネクタイ に、金の腕時計が印象的だ。 まず、京都御所、御簾の内側から、文字通り「帝 のまなざし」で見た景色を狙ったという。 十分な準備をし、時間をかけて撮 ったと思われがちだが、御所の内部など場所によっては、極めて制限された時 間に、ストロボなどたけず、刺激を与えないHMIというライトで撮ったりし たという。 平成2年の即位の礼では、隠密にヘリコプターで東京へ運ばれた 紫宸殿の高御座(たかみくら)は、上から撮ってはならず、許された限界の脚立 で2メートル50の高さから撮った。 それ以上に上がる大工や職人はお札(特 別の許可)をもらって上るという。 紫宸殿前の左近の桜、この一日だけの満開 の時期に撮るのは大変だった。 花びらの中の、一枚だけが赤い、この特殊な 桜を眺めていると、光源氏の気持になったそうだ。 御常御殿の剣璽の間では、 三種の神器の曲玉と宝剣を収めた特別の場所だと知った。 天皇の象徴の鳳凰 が、天皇・皇后の私的な空間を飾る美しい障壁画など、随所にみられる(2011. 7. 25.参照)。 廊下の畳の縁は緋色、木綿ではなくシルクだそうだ。 茶室「聴 雪」が気に入った、屋久杉の天井や、薄緑色の塗り壁がいい、という。

修学院離宮、寛永文化のリーダー、後水尾上皇が、川を堰で仕切って、池を つくるというスケールの大きな工事を、自らの発案で行った。 舟遊びを楽し まれたという、その視線で撮るため、釣り用の胸までの胴長靴で池に入った。

桂離宮、新御殿の一の間から広庭の紅葉を眺めた一枚は、きわめて珍しい写 真という。 見学者の来ない昼休みに、障子・襖を五人の表具師が「せーの」 ではずした、たった五分間に、撮影したものだそうだ。

三好和義さんは、最後に、これからも日本の文化、日本の魂にふれるような 写真を撮り続けていきたいと、話した。