「雛」と「土筆」の句会2016/03/22 06:29

 いささか遅れ馳せながら、10日は「夏潮」渋谷句会だった。 6月に100回 記念を迎えると発表していたが、前日に今までのリストを整理していて、5月 が100回だと気が付いた。 既に6月に記念の会を開く会場を予約してあった ので、そのままにすることにして、終りに一言謝った。

 兼題は「雛」と「土筆」、私はつぎの七句を出した。

古雛のいと長き顔長閑なり

猥雑な界隈にあり雛の店

内裏雛どちらが右か祖母に訊く

御浸しの土筆のやうな日を送り

つくし煮ていがらつぽさを愛でてをり

童心に返り土筆を探すかな

老妻も土筆見つけて声を上げ

 私が選句したのは、つぎの七句。

雛飾る思ひいつしか父母のこと     なな

雛の間と廊下隔てに点る部屋      ひろし

雛納め終へし灯下の青畳        ひろし

段組みて父は退散雛飾る        さえ

つくづくし光りやまざる川面かな    裕子

土筆の穂亀甲模様にゆるび初む     なな

向かひ合い土筆の袴取りにけり     淳子

 私の結果は、<猥雑な界隈にあり雛の店>をひろしさんが採ってくれただけ で、主宰選なし、互選1票、鳴かず飛ばずの極み。 ひろしさんのお蔭で、危 うくスコンクを逃れたのであった。

 私が選句した句で、主宰選にもなった句の、主宰の選評。 <雛飾る思ひい つしか父母のこと>…なんでもないようでいて、こういう作り方が大切。言葉 の斡旋、「いつしか」が大事。情がある。年取るほど、しんみりした思いになる。  <つくづくし光りやまざる川面かな>…河原の景、狩野川あたりを思った。美 しい。 <土筆の穂亀甲模様にゆるび初む>…発見である。「亀甲模様」のリズ ムが悪い、「亀甲文」ではどうか。 <向かひ合い土筆の袴取りにけり>…なる ほど、二人で土筆の袴を取ると、どうしてもそういう形になる。