林家正雀の「年枝の怪談」前半 ― 2025/07/20 07:29
いっぱいのお運びで。 お米が話題ですが、一昨年、ある農家が米を盗られた。 警察に連絡すると、警官が二人来てくれた。 そして夜中になって、泥棒を一人縛った。 泥棒も、新米だった。
泌尿器科の先生の待合室で、落語会をやった。 先生三人、看護婦五人で、打ち上げにビールで乾杯。 紙コップが配られて、それに線が入っている。 大丈夫! 使ってない。
横浜本牧座、二代目春風亭柳枝が一か月の興行。 もう一軒、神奈川の寄席の中入り前に、掛け持ちで出ていた。 こちらのトリは年枝(ねんし)で、横浜本牧座の中入り前にも来ていた。 柳枝の一か月の興行が終わって、来年も来てくれるかと言われ、手を締めて、宿に戻る。 当時の横浜は泊まりで、酒が好きだ。
年枝さんが、お出でになりました。 師匠、飛んでもないことになりました。 肩が凝ったので、按摩さんを呼んだ。 その按摩が、噺家さんだね、年枝さん、魂の入らない噺をする、と。 柔(やわら)の初段だと言うと、按摩は二段だと。 それじゃあ、やるかと、首を絞めた。 それで、按摩を蚊帳にくるんで、出て来た。 間違いだ、警察に行きな。 しかし、魂のこもった噺を、一遍、やってみたい。 それから、警察に行く。 じゃあ、ご祝儀を持って行け、旅へ行け。
沼津入道館、評判がいい。 半月、お客が入った。 名古屋栄座へ。 金沢の席亭から、来てくれと言って来て、イヅク席へ、評判が上がった。 夏場、東京では、円朝の怪談噺が流行っているそうだが、やれないか。 弟子の円生から習った噺があるので、夜席だけやってみますか。 年枝は十分に稽古をした。
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