花緑の「あたま山」 ― 2009/04/13 06:55
花緑は、ついに落語研究会にぴったりのネタ、研究するべき噺を、ご提示で きると出て来た。 あまりやらない噺は(1)むずかしい(2)ばかばかしい、 のどちらかだ、と。
度の過ぎたケチの、ケチ兵衛さんが江戸にいた。 花見に行く、満開で、す ごい人だ。 ケチ兵衛は、ただのんびりと花を見ていない。 さくらんぼを一 つ見つけて、食べてみると、おいしい。 下を見ると、いっぱい落ちている。 それを拾って食べ始める。 種ももったいない、茎ももったいない、ジャリッ ときても、もったいないから、そのまま呑み込む。 クチュクチュ、クチュク チュ、クチュクチュ、ものすごい数をたいらげて、おなかがいっぱいになり、 眠くなった。 長屋に帰って、寝る。
カラスカアで夜が明けると、頭が痛い。 「ポン」と音がして、頭から何か 出た。 隣の婆さんに見てもらうと、葉っぱがついているという。 婆さんが 見ているうちに、「ウエーッ」、頭の葉っぱが大きくなって、やたらにノドが乾 く。 長屋の井戸で、ゴクゴク、ガラガラ、ゴクゴク。 「どん」、地震だ。 「フ ンギャー、桜の木が生えた」と婆さん、なんで桜だとわかるのかと訊けば、「花 が咲いているもの」という。 しだれ桜だ、俺ってオツだね。 町内を散歩す ると、あっちの町内、こっちの町内で、「ふあーッ」(枝雀風の身振り)、「あい つ見てみな、粋だね」、一杯飲んでいかないか、と酒をご馳走になり、どんちゃ ん騒ぎになる。
このところ花緑は、伸び悩んでいるように思っていた。 この「あたま山」 は、その不安をぶっ飛ばして、新たな花緑の可能性を示したのだった。
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