王子界隈吟行句会、その選句2010/07/24 06:54

 「枇杷の会」王子界隈吟行句会の結果、〈梅雨明けや王子男滝の余り風〉を英 主宰と洋太さんが、〈紫陽花のあせて暑さのぐわぁんと来る〉を主宰、〈木洩れ 日の清き流れにあめんぼう〉を洋太さんが採ってくれて、合計4票だった。 主 宰は「王子男滝」の句を、洒落た句、「オ」のリフレイン、「余り風」に斜に構 えた江戸風の余裕があって面白い、江戸郊外の気分。 「紫陽花」の句を、今 日の作者は気持が乗っていたのだろう、「ア」の繰り返しで「暑さ」を小気味よ しと、とらえている、と評して下さった。

 私が選句したのは、つぎの七句。

 信号の赤の長さよ油照         英

 水塊の陥ちて流るる茂かな       英

 一瀑の日差を過(よ)ぎり落つるかな  英

 湧きあげて泉の水のをさまらず     英

 こゝにまた小瀧や江戸は丘の町     英

水着の子もう母親を振り向かず     洋太

 稲荷奥狐の洞や木下闇         善兵衛

 主宰の句を五つも採り、他の参加者の句もきちんと一句ずつ採って、期せず して絶妙の選句となった。 帰宅して、この吟行を企画し実施してくれた善兵 衛さんに感謝しつつ食べた、まだ熱い扇屋の玉子焼は、日本橋高島屋で買うの より美味しい感じがした。