わが選句と、主宰選の句2010/07/14 06:44

 「滝」と「夏料理」の句会で、私が選句したのは、つぎの七句。

滝仰ぐほどに屈託剥がれゆく      英

守るべき形あるかに滝落つる      なな

地獄より落ちくる水やイグアスの滝   さえ

借景に芙蓉峰据ゑ夏料理        英

コンソメのジュレきらきらと夏料理   和子

満天の星に篝火夏料理         和子

青竹の器の雫夏料理          正枝

 「滝」と「夏料理」の句会で、「主宰選スコンク」となった理由の一つと思わ れる、主宰の総評があった。 「夏料理」という季題は、いかにもという作り ものの世界だから、どうにかして、その世界から出られるか。 観念で動く(詠 む)と、失敗する。 素直に、見えるように詠む。 具体的に、形そのもの、 瞬間のそれを詠む。 完成された言葉、成句のようなものは、観念が出やすい。  観念的な言い回しはダメ。 単純で、小さいものを使う。

 主宰選の句を、いくつか紹介する。

擦れ違う行者の列や瀧の音      やすし

真つ白な滝のひと筋向う山      なな

滝膨れきて眼前の磐を打つ      一郎

夏料理渡り廊下をひと繁く      ひろし

食前酒は切子のグラス夏料理     さえ

大皿にひと口づつの夏料理      淳子

パプリカの三色載せて夏料理     梓渕

夏料理吾子の掬ひし魚添え      けん詩

 主宰のこの日の一句。

折れ釘のやうに光りて瀧遠し     英