「鵙(もず)」と「新蕎麦」の句会 ― 2010/10/19 07:07
14日は「夏潮」渋谷句会、兼題は「鵙(もず=百舌鳥)」と「新蕎麦」だっ た。 翌日から志賀高原石の湯への「夏潮」紅葉狩り吟行会が始まることもあ って、9名の参加というこじんまりした句会となった。 私が出したのは、つ ぎの七句。 11日に麻布善福寺へ行く電車の中で、浮かんだのをパパッとメモ したものが中心だった。
百舌鳥聞かぬ都会にけふも暮しをり
いのちいのち鵙の速贄連なれる
新蕎麦のビラに暖簾をくゞりけり
走り蕎麦注文通す声高き
新蕎麦の喉にいささかざらりとし
走り蕎麦わざわざ野暮に噛んでみる
新蕎麦や暑さの夏をながらへて
「鵙」は難題だった。 鳥に詳しくないせいか、身近な鳥ではない。 一句 目はその正直な告白。 二句目、生物多様性条約の会議からの連想で、最初浮 かんだのは〈生き物や鵙の速贄COP10〉だったが、あまりにもということで、 ここまで変形したのだった。
速成、余り期待できないとは思っていた。 結果はまさに予想通り。 互選 では〈走り蕎麦注文通す声高き〉に、やすしさんの一票だけ。 主宰選に、〈い のちいのち鵙の速贄連なれる〉と〈新蕎麦の喉にいささかざらりとし〉が入っ たのは救いだった。 前の句を、情の濃い句、鵙と速贄とそして自分、大中小 の命を思う、ある深まりのある句。 後の句を、言われてみれば、そうかもし れない、語尾は「とし」よりも「とす」のほうが落ち着く、と評してくださっ た。 COP10に始まったにしては、望外のことというほかあるまい。
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