三三の「人形買い」 ― 2012/05/02 02:58
三三、春の椿事があったという。 弟子入り志願が、それもメールで来た。 「弟子入りを希望します」。 もちろん、断った。 二ッ目に話したら、可笑し いと言う。 兄さんの所に、弟子入り志願なんて、と。
「人形買い」、2009年4月30日の第490回の落語研究会で、入船亭扇遊が 演じた。 師匠扇橋の十八番ネタである。 三三も、2001年の初めに扇橋や市 馬たちと伊豆七島へ公演に行った時、扇橋に稽古をつけてもらったのだそうだ。 扇遊も、三三も、元は同じということになる。 扇遊の「人形買い」は、この 日記の2009年 5月7日に「前半」、8日に「「通し」完結篇」を書いていた。
登場人物は(登場順に)、月番の甚兵衛、そのかみさん、来月の月番の松っつ あん、人形屋の大旦那、おしゃべりな小僧、若旦那、女中おもよ、八幡太郎義 家、太閤秀吉、神功皇后、武内宿禰、易者、講釈師、神道者。 二十軒の長屋、 神道者の家に子が生れ、初節句の祝いに粽を配った。 月番がお祝を持って行 くのに25銭ずつ集めて5円、「人間がこすっからいから、うまくおだてて」と いう甚兵衛のかみさんの知恵を承知で引き受けた松っつあん、そこから一合ず つの酒と冷奴をひねり出すつもり。 5円の人形を、4円に値切ったが、小僧 の話で「ニカメ」「マメクイ?」すなわち一昨年の売れ残り、2円の買いかぶり と判明。 若旦那と女中おもよの面白い話を聞いていて、長屋を通り越す。 口 うるさい二人、易者と講釈師に、太閤秀吉と神功皇后のどちらにするかを聞き に行き、占いの見料50銭を取られ、木戸銭の40銭と座布団の10銭も取られ て、冷奴までなくなる。
太閤様と小僧を帰して、神功皇后を神道者のところに届けると、私を神職と 見立てて、神功皇后様の人形を選んでくれたのか、と大いに喜ぶ。 「そもそ も神功皇后様と申し上ぐるお方は…」「応神天皇を身ごもられし折、武内宿禰が 鹿皮を腹に巻けと…」。 また、金を取られそうになり、先生のお払い(お祓い) は、長屋のお返しから差っ引いて下さい、ということになる。
三三、易者と講釈師に、神道者、三者三様のそれらしい言い立てを、見事に 使い分けて、楽しい高座になった。
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