人間明日はわからない、今日どうする2014/01/11 06:31

 年末年始に読んだものから、目に付いたのを書いてみたい。 瀬戸内寂聴講演「これまでの一〇〇年、これからの一〇〇年」(『図書』2014 年1月号)。 9月28日に京都であった岩波書店創業百年を記念する講演会で の話らしく、「私はただいま満91歳です」と始めて拍手をもらった寂聴さん、 小学生の頃から文学少女だったから、小遣いでも買える安い岩波文庫で外国の 翻訳小説を読んだという。 小説を書くなら、東京へ出て来て、勉強して腕を 磨かなきゃあと小学館の偉い人に言われて、上京した。 「岩波書店と関係が できるようになるとは、夢にも思っていなかった。いまもあんまり関係してい ませんけれども(笑)。」

「だから、人間はあしたってわからないですよ。皆さんもきょう、秋晴れの こんないいお天気の日に、こんなところに(笑)、文化を愛するからいらっしゃ ったんだと思うんですけれども、あしたはわからないですよ(笑)。/きょうが もう最後だと思って、きょう食べたいものを食べて、飲みたいものを飲んで、 会いたい人に会って、そして読みたい本を読んでください。/台風も地震も、 そして戦争だって、あしたにも始まっちゃうかもしれない。変な時代です。そ んな不安な時代に本なんか読んでいられるかと思うかもしれませんが、不安な 時代だから、明日がないから、きょうは本物の本を読みたいんです。そうして、 文化をお腹一杯食べて眠りたいですね、芸術も文化も、体の栄養にはならない けれども、心の栄養には絶対必要です。これを忘れないでください。」