志ん公の「風呂敷」2014/01/26 07:19

 21日は、第547回の落語研究会だった。 演目は、

「風呂敷」        古今亭 志ん公

「湯屋番」   小駒改メ 金原亭 龍馬

「井戸の茶碗」      桃月庵 白酒

         仲入

「一分茶番」       入船亭 扇遊

「二番煎じ」       柳家 喜多八

 志ん公は、2010年11月に「万病円」、2012年3月に「孝行糖」を聴いて、 どちらも誉めている。 古風な丸顔、薄い色の縦縞の着物に、小豆色の羽織。  縁の話から、始める。 ベルギー、オランダ、南アフリカでは同性結婚が認め られているが、日本では難しいのではないか。 婚活(パーティー)、一度は参 加したいが、結婚しているから駄目だ。

 町内には、兄貴、兄さんなどと呼ばれる人物がいて、ヤキモチ焼の亭主を持 ったおかみさんが履物も脱がずに、飛び上がって来る、ニワトリみたい(この 辺の入り方は、よかった)。 大変なことになっちゃった、と。 大変なことな んてのは、生涯に一度言うことだ。 血を見ることになるかもしれない、ウチ の人が遅くなると言ってハマ(横浜)へ出かけた。 町内の若者の新さんが通 ったので、ちょっと上げてお茶を飲んでいると、雨が降って来て、表の戸を閉 めた。 するとウチの人が早く、へべれけになって帰ってきたので、新さんを 三尺の押入れに隠したら、亭主はその前にどっかりと座った。 何とかして下 さい、お願いします。 お前はのべつ、それだ、いつもそこへ手をついて押す から、へこんだぞ。

 女房は先へ、先へ、気を遣うんだ。 「女、三階に家な し」というだろう、三階にいちゃいけない、二階までにしておけ。 「貞女屏 風にまみえず」、向うが見えなくて、やるせない。 「じかに冠をかぶらず、お でんに靴を履かず」、じかだと痛いだろう、おでんは靴を履いて食っちゃいけな い、靴だとすぐ駆け出すことが出来るから、勘定を払わないんじゃないかと、 おでん屋さんが心配する。 兄貴は、女房に戸棚から麻の風呂敷を出させる。  早く、出せ。 (大声で)どこ行くの? どこでもいいじゃねえか、丸ァるく なって寝てろ、女房なんて、シャツの三つ目のボタンみてえなものだ、あって もなくても同じ。

 へべれけの亭主(押入れの前を動かず)、なんだ兄弟じゃないか、ウチのカカ ア、面白くねえ、ハマへ行って、早く帰ったら、もう帰ったのって言うんだ。  お前さん、もう寝ようよなんて言うんだ、変な物でも飲んだんじゃないのか、 もう寝ようよなんてセリフは、一緒になってすぐはよかったけれど、アブラム シの背中みたいになってから言うことじゃない、なんで亭主をおびやかす。

 今、仲間内のゴタゴタを収めて来たと、これから風呂敷を使って問題を解決 するのは、ご存知の通り。 志ん公、「風呂敷」のストーリーと志ん生以来のく すぐりをなぞるのに懸命で、独自色を出せず、今回は感心しなかった。