柳家小満んの「猫の災難」後半2024/09/14 07:03

 どうしよう、ヤマタノオロチが来て……、やっぱり、隣の猫か、一升壜蹴飛ばして、みんなこぼしちゃった。 そうと決まれば、これっぱかし残しておいてもしょうがない。 たっぷりになったよ、口からお迎え、お迎えだ。 兄貴、早く帰って来て、一緒に飲むがいいじゃないか。 酒がいいんだ、出たり入ったりしてないで。 飲み切っちゃおう、おつもり、おつもり。 いい休みだった。 何も心配がない。 唄や踊りの出るところだ。 唄は、きまるね。 ♪浮気っぽいとは……、女房でも切れる……口約束ではなおのこと、スチャラカチャンチャン、スチャラカチャン……、別れています、ずっと寂しくしてるでしょ、スチャラカチャンチャン、スチャラカチャン(この小唄か都々逸か、熊さんが酔っ払ってるせいもあって、うまくメモれなかった)。

 浮かれちゃあ、いられないんだ、猫を追うような恰好をしなくちゃあ、鉢巻して、片肌脱いで、出刃右手に持って…。 早く、帰って来てもらいたい。 通り過ぎて行ったよ、なんだ電報屋か。 待つ身になってみろよ。 ♪トーーンととんがらし、ヒリリと辛い山椒、臭いの強いのは……。

 グッーーーッ! よだれ垂らして、寝てやら。 おい、熊。 熊! 熊! 兄弟ぇか、しばらく。 何が、しばらくだ。 四軒も渡り歩いて、やっと同じようなテエを買ってきた。 もう一幕あったんだ、猫が来て、先ほどはご馳走様、まだ眼肉が残っているはずだって。 鉢巻して、出刃持って、追っかけた。 あーーあ(と、アクビ)。 猫が一升壜を蹴飛ばしてひっくり返した。 全部は出なかった、ありがてえことにね。 酔ってるな、お前、みんな飲んじゃったのか。 飲んだんじゃない、吸ったんだ。 吸ったほうが、酔うね。 俺が、隣へ行って文句を言ってくる。

 ちょいと熊さん、猫が、猫がって、変なことを言っちゃあいけないよ、ウチの猫の病気見舞いのお余り、あげたんじゃないか。 何だい、猫のお余りを、もらったのか。 そうらしい。 まだ、何かあるのか。 お前からも、猫によくお礼を言ってもらいたい。

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