四字熟語辞典について ― 2007/01/15 07:01
6日の朝日新聞土曜版、赤いbeに、beパズル新春スペシャル「漢字抜け熟 語」というのがあった。 四字熟語が9×7=63並んでいる。 その内、二字 わかっているものが18、一字わかっているものが27、一字もわかっていない ものが18ある。 つまり合計252字の内、189字はわかっていない。 ただ し、189字の内、共通して使うものもあり、不明の字数は60字と決まっていて、 一連番号がついている。 閑人、これに挑戦する。 当然二字わかっているも のから埋めていく。 □夜兼□を、昼夜兼行というように。
それで思い出したのだが、12月28日の「長い長いコノワタの話」に書いた 丸谷才一さんの『双六で東海道』の「孔子とコノワタと大根おろし」に四字熟 語のことが出てくる。 私は知らなかったのだけれど、高島俊男さんという人 が、すごいという。 中国文学が専門だが、学があり、頭がよくて、奇人だそ うだ。 著書に『水滸伝の世界』、『中国の大盗賊』、『本が好き、悪口言うのは もっと好き』、『お言葉ですが…(10)ちょっとヘンだぞ四字熟語』(「お言葉で すが…」は「週刊文春」見開きコラムの由)などがある。
最後の本に、某氏の『使える四字熟語』(ちくま新書)をきびしく咎めた箇所 があるという。 その小気味良い弾劾の詳細は読んでいただくとして、版元の 筑摩書房だけでなく、岩波書店も叱られている。 『岩波四字熟語辞典』を出 したからで、もともと四字熟語辞典には学術的な意義も価値もない、ただ簡単 に作れてよく売れるからというので、出版されても困るという。 「四字の熟 語は無数である。何万何十万ある。辞書にのせられるのはせいぜい数千だ。そ こで何をとり何を捨てるかの基準が必要になる。常識的に、わかりきったもの、 語を重ねただけのもの、それに和語入り、現代語などをまず捨てることになろ う」 岩波のは基準を立てないから「行きあたりばったり」で、「何でもあり」 になっている、と高島俊男さんは斬り捨てている。
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