世のため、人のために働く喜び2007/03/05 07:56

 “ニッポン人脈記”「拝啓 渋沢栄一様」(中島隆記者)に登場した人の言葉か ら。

 1997年、第一勧銀の総会屋事件の時、広報部次長だったという作家江上剛 (53)さん、渋沢栄一が唱えた「人々のために」という銀行の初心が薄れてき てしまったと、春から銀行員になる若者に言いたい「銀行は金もうけの事業で はなく、社会のインフラ。世のため、人のために働く喜びを知ってください」 (第2回)

 東京商工会議所の月報に渋沢栄一の伝記小説を連載している、おもちゃメー カー、バンダイの元社長山科誠(61)さん「金がほしい、と思うのはいつの時 代も同じ。でも商売道をはずれたら、世の中に罪悪しかつくらないんですよ」 (第7回)

 おばさんが渋沢家に嫁ぎ、祖父の開いた銀座の薬局は渋沢家にかなり経営支 援を受けただろうという資生堂の名誉会長福原義春(75)さん「金もうけでな く、世の中の役に立つ文化支援をすることで、信頼を得られる。私は経営とメ セナは一体だと思う。そもそもお金だけでは、心の豊かさは買えないじゃない ですか」(第8回)

 渋沢栄一のひ孫で、渋沢敬三の子、渋沢栄一記念財団理事長の渋沢雅英(82) さん「渋沢栄一という旗を立てると、中国の人は喜んで受け入れてくれる。日 中友好の懸け橋になればと思います」(第10回)

 渋沢栄一の故郷、埼玉県深谷市に昨春開校した通信制の創学舎高校校長で、 帝京平成大学助教授の五十嵐雅子(58)さん「幕末にパリに行き、すぐにチョ ンマゲを切った。激動の時代を精力的に生き、女性関係にちょこっと問題があ る。人間としてのおもしろさにひかれました」(第12回)