春風亭正太郎の「そば清」後半 ― 2017/06/05 04:37
清兵衛さん、信州の善光寺であった、そばの大食い大会に出た帰り、脇道に 入った。 草むらが、ガサガサ。 ウワバミだ! 大蛇を何でウワバミって言 うか、ウワッと驚くと、バムんでウワバミだそうで…。 腰砕けになった。 猟 師が鉄砲でウワバミの急所を狙っている。 引き金を引くより一瞬早く、ウワ バミが猟師を呑み込んだ。 おナカがふくらんだかと思うと、近くの赤い草を ペロペロとなめた。 すると、ふくらんでいたおナカが元に戻った。 いい薬 だ、あの草だな、いいものを見つけたぞ。
清兵衛さん、大きな勘違いをした。 その草は、特定の物質だけを溶かす物 質だった、これは重要なポイント。
「どーも」。 四十五枚、五両で。 今日は五十枚、十両と願います。 暖 簾を仕舞って、金ちゃん、六ちゃん、手伝って。 二十、三十、三十五、三十 九、四十…、四十一枚までトントンと来て、止ったよ。 ハッハッ。 ズルズ ルズルーッ。 ウーーッ。 あんた、負けだ。 下を向くと、そばが出る、箸 にそばを引っ掛けて、口まで運んでください、恩に着ます。 ウーーッ。 身 体に毒だ、もうやめなさい。 表の風に当りたい。
重くて、立ち上がれないじゃないか。 金ちゃん、六ちゃん、座布団ごと押 して。 男って、四十一を過ぎると、駄目になるんだ。 あとを閉めてほしい。 勝負は、これからだよ。 これさえ、あれば。 ペチャペチャ。
何か、叫んだ声がしたよ。 金ちゃん、見てくれよ。 清兵衛さん! アッ、 そばが着物着て、座ってらあ。
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