三之助の「かぼちゃや」、菊之丞の「浮世床」2006/07/21 08:01

 19日は、第457回落語研究会。

 「かぼちゃや」       柳家 三之助

 「浮世床」         古今亭 菊之丞

 「船徳」          瀧川 鯉昇

          仲入

 「悋気の火の玉」      橘家 圓太郎

 「井戸の茶碗」       入船亭 扇遊

 三之助、最初震えていたのは、かなりの緊張感があったのだろう。 てっぺ んだけを残して刈上げた頭、からくり人形で見たことのあるような丸い顔をし ている。 三白眼とまでいかないが、目付きのきついのが、ちょっと暗い印象 を与えて、損。 与太郎が「かぼちゃや」でもやれと、おじさんにいわれ、荷 を担いで出たところで、もう額に汗が光っていた。 ひょうきんでいろいろや っているのかと思っていた与太郎が、生地だと気づいて、かぼちゃを買ってく れ、売ってくれる人が現れる。 売る時は上を見ろといわれたのに、空を見て いて、元値で売ってしまう。 もう一度行って来いと言われて、同じ人の所に 売りに行く。 齢を訊かれて、六十だという。 本当は二十、四十は掛け値、 掛け値しないと、女房子が養えない、という落ち。 全体に、今一だった。

 菊之丞の「浮世床」からは、格が違う感じになる。 「ていこうき」を「ま がらじふろふざへもん」と読むあたりも可笑しかったが、眠っているのに「半 ちゃん、一つ食わねえか」と声をかけると、たちまち目を覚ます半ちゃんのノ ロケ話が、快調だった。 どこかの囲い者か、二十八、九のいい女の姐さんに頼まれて、「音羽屋!」と声をかけ続ける芝居の場面、そして芝居茶屋に誘われてからの展開が、菊之丞の役者か女形のような柄に合っていた。