「仙厓 センガイ SENGAI 禅画にあそぶ」展2007/09/12 06:40

 9月からリニューアルした日比谷の出光美術館で「仙厓 センガイ SENGAI 禅画にあそぶ」展を見てきた。(10月28日まで) サントリー美術館と同様、 出光美術館もけっこう行っているから、仙厓(1750~1837)という禅僧の書画が、 出光佐三コレクションにあること、その絵と文のユーモラスで自由奔放なこと は知っていた。 今回の展覧会は、仙厓没後170年を記念し、リニューアルを 機に、その1,000点を超えるという一大コレクションから、「楽しくて、かわ いい」仙厓の禅画を楽しみ、その教えを読み解き、さらには趣味人として送っ た晩年の姿にも迫る、全貌を紹介している。

 仙厓というと□△○が有名だけれど、○に「これくふて茶のめ」という賛の ある「一円相画賛」というのがあった。 まんじゅうなのだろう。 「芭蕉に 蛙」の二枚組、一枚は芭蕉の木の下で蛙が何か考えていて「池阿らは飛て芭蕉 に聞かせたい 厓并」、もう一枚は蛙が芭蕉の木の下で空を向いていて「古池や 芭蕉飛び込む水の音 厓」。 芭蕉が飛び込んだ水の音を、蛙が聞いているわけ だ。 芭蕉を飛び込ませた発想、パロディがすごい。

「朝顔画賛」の賛は「明る日ハ暮るものとも志ら露を命に咲かあさ顔の花」 と、禅のにおいがする。 「花見画賛」には、「楽志みハ花の下より鼻の下」と、 花見をするいろいろな人を描き、(人の横の説明に)「ヨロコフ 小共」もいれ ば、グチャグチャと描きつぶして「書そこない」と奔放なのもある。 仙厓の 世界を存分に楽しめた。