『百科全書』とは ― 2007/12/05 07:26
『百科全書』の話を聴きに行ったのに、『百科全書』について何も知らない。 『広辞苑』を見る。 「1751~72年フランスで、ディドロ及びダランベール 監修のもとに刊行された大百科全書。17巻、図版11巻、補遺5巻(77年刊)。 啓蒙思想ないし自然科学・産業技術の普及、特にフランス革命の思想的準備に 大きな役割を果し、その後の百科全書の手本ともなった。」 別に「百科全書家」 という項目があり、「百科全書の編纂に従事し或はこれに協力した18世紀の思 想家・学者。ディドロ・ダランベールを始めエルヴェシウス・グリム・チュル ゴー・ドルバック・マルモンテル・モンテスキュー・ヴォルテール・ルソー・ ケネーらを指す。その立場は主として合理主義的・懐疑論的・感覚論的・唯物 論的。」とあった。
鷲見さんは「フランス革命の思想的準備に大きな役割を果し」に、異論を唱 えた。 予約購読制で売られた『百科全書』の900リーヴルという価格は、賃 金で比較して現在の数百万円にあたり、ほとんどの人が読めない値段だった。 読めたのは、ほんの上澄みの貴族、聖職者、ごく一部のブルジョワジーだけだ った、というのだ。
そして『百科全書』の社会的特質を挙げた。 まず「在野の企画」。 民間企 業とディドロ、ダランベールのような在野の知識人による出版企画で、出版事 業としては新しい年俸制を採用した。 時まさにアマチュアによるディレッタ ンティズムの全盛時代だった。 当時「真理」の独占・管理は、教会とソルボ ンヌの神学部の役割だったので、フランス国家は宗教界への顧慮から微妙なス タンスを取った。 発禁にしておいて、(国家の威信にも関わる事業なので)地 下で出版を準備させたのだ。 『百科全書』は商業的に成功し、後続しておび ただしい類似の出版物が出される。
コメント
_ やまもも ― 2007/12/05 21:37
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_ やまもも書斎記 - 2007/12/05 21:29
正直に言って、大学で国文学専攻、ということでありながら、よく知らないのである。
現在の専門である、文字、という視点か
http://yamamomo.asablo.jp/blog/
トラックバックは設定しましたが、無事につながってくれるかな。