金原亭馬吉の「夏どろ」 ― 2010/07/04 06:43
6月30日は、第504回の落語研究会だった。 蒸し暑い日で、国立小劇場 に入った時は涼しかったが、省エネだか事業仕分け対策か知らないが、仲入で 冷房を切ったらしく、後半はバカに暑くなった。
「夏どろ」 金原亭 馬吉
「花見小僧」 林家 たい平
「鰻の幇間」 柳家 喜多八
仲入
「鹿政談」 三遊亭 歌武蔵
「白ざつま」 柳家 さん喬
馬吉(うまきち)は、去年の5月に一度「鮑熨斗」を聴いたことがあった。 現・馬生の弟子。 髪の毛が多い、いい男、きちんとしている。 泥棒の噺だ から、浅草寺の賽銭泥の小噺から入ったが、「仁王かぁー」を芝居がからず、軽 く流したのは、考え過ぎの失敗。 もう一つの小噺は、よかった。 高級料理 屋に入った泥棒、五十両を脅し取った後、料理を所望して、鯉の洗いと鯉こく を食う。 帰ろうとするのを呼び止められて、「食い逃げですか?」「いくらだ」 「鯉が時化で、五十両いただきます」、やむなく払って出ると、見張りの手下が 「中の首尾は?」「シーッ、コイが高い」
「夏どろ」に入って、暗闇で泥棒がしゃべっている最中、懐から手拭を出し て、汗を拭いたのは、いただけなかった。 落語研究会のプレッシャーはわか るが、修業、修業。 この噺、だだっ広い空間の感じがしていた。 馬吉は、 長屋の真ん中の部屋に寝ていた自殺願望の大工に、首を吊るとハリが細くて三 軒長屋がつぶれちゃう、と言わせる。 すごんでいた泥棒が、大工の極貧に同 情して、だんだんと金を出していくプロセスが聴かせ所なのだが、ややリアリ ティーに欠けた。 落ちは「おい、ドロボウ、季節の変り目に、もう一度入っ てくんねえ」
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