『べらぼう』と令和の米騒動2025/07/28 07:16

第26話「三人の女」。 浅間山の噴火による天明の大飢饉で、江戸に米が無くなる。 百文六合、去年の倍の値段だ。 田沼意次(渡辺謙)は、今すぐ手を打てと、命ずる。 だが「田を沼に変へる手妻で六合の米を得させて消ゆる百文」という狂歌が流行る。 蔦重の母つま(高岡早紀)も下野(しもつけ)が不作で、髪結の仕事が上がったりで、蔦重の店に転がり込む。

 蔦重は、店の奉公人やタダで飯を食いに来る客の米が一俵しかないの仕入れに困る。 旧知の札差を招き、商談の席をつくり、大田南畝(桐谷健太)を同席させ、「搗(つ)く音に無限の米を降らせよやここに三俵かしこに五俵」「米、来い!米、来い!」と狂歌を詠ませて、なごやかな雰囲気をつくり、米を少しでも安くわけてもらえないかと、交渉する。

 南畝は、米の高騰は自然のせいばかりではない、売り惜しみをする連中が価格をつりあげているのではないか、という。 命令に従って正規の値段で売っている米屋は、ごくわずか。 庶民の暮らしは、ますます苦しくなっている。

 蔦重は、自分たちにできることはないかと、正月に向けて、おめでたい狂歌集をつくろうと、南畝に持ち掛ける。 「米一粒作れない俺たちでも、言葉なら投げかけられる。だからやるんです」 歌麿(染谷将太)の絵で、黄表紙が動き出す。

 紀州徳川家の治貞(高橋英樹)が江戸城に現れ、米騒動に対する幕府の対応を厳しく批判、お囲い米を出せと言い、田沼意次は、頭を下げるしかない。 その席にいた田沼意知(宮沢氷魚)は、蔦重を訪ね、どうすれば米価が落ち着くか、尋ねる。 蔦重は、狂歌集の草稿を見せ、これも策の一つと説明する。 さらに、本屋の世界で「仲間制度」があるために、本が自由に流通できなくて苦労した話をする。 田沼意知はヒントを得て、「恩に着るぞ、ありがた山だ」と。

 幕府は、大坂や京都、駿河などから江戸へ米を運ばせる段取りを整える。 もう一つ、田沼意知の提案で、米を扱う仲買や問屋の株仲間制度を一時的に廃止する。 米の流通を支配していた結束を解き、売り惜しみや価格の操作を防ぐ狙いだ。

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