わが選句と、主宰選とその評2010/04/11 07:01

 「灌佛(花祭・花御堂)」と「草餅」の句会で、私の選句はつぎの七句。

花御堂まづひよこ組お参りす        和子

境内に咲きしもの葺き花御堂        なな

仏生会天上天下晴れ渡り          ひろし

夕暮をしづかに湛へ花御堂         一郎

てのひらにほろりと雨や花祭        一郎

草餅を焼くやあんこをしゅんと吹き     一郎

草餅に故郷の話弾みをり          梓渕

 主宰の選評(一致分)。 〈境内に咲きしもの葺き花御堂〉…上手な句。住職 の植物に対する気持が出ていて、そういうことも話題になっているのであろう。  〈仏生会天上天下晴れ渡り〉…つき過ぎの感がなくもないが、リズム感がよい。  〈夕暮をしづかに湛へ花御堂〉…巧い句、危険なくらい。夕暮の実態がどこに もないが、暗くなってきて音もなく夕暮が忍び寄って来ている。 〈てのひら にほろりと雨や花祭〉…うまい、リアリズムより仏様のやさしさに包まれてい る、花祭全体を覆うおだやかな気持が現われている。

 ほかの主宰選の一部と、その選評。   み仏の小さき指(オヨビ)花御堂      和子  …クラシックな措辞、伝統の安心感。仏さまへの親近感。

寺の名で僧が呼ばるゝ花祭         一郎  …実見したのだろうが、大層巧み。

一年(ひととせ)の苦楽流して甘茶かな   けん詩  …行事はそんなことではないのだろうが、日本人には水に流す、禊の伝統が ある。俗信のようなものか。

灌仏会小さくしゃがんで拝みけり      けん詩  …うまい句、仏さまが小さくていらっしゃる。心の状態も示している。

糸きりの糸も染まりて草の餅        松子  …「糸も」だと主観、情が出てしまう。抑えるなら「糸の」。

父と娘に話も無くて蓬餅          良  …蓬餅のむさっとした感じ。不思議な景色。

花祭像すぐ乾く日和かな          さえ  …こういう所に俳句を見つけた、目のつけ所がいい。「花祭像」は「甘茶仏」か。

五頭身の御像堂々花御堂          さえ  …五頭身は、伊東絹子八頭身の記憶。「御像堂々」は工夫が必要。