「秋高し」「落花生」の句会2006/10/14 07:22

 13日は「夏潮会」となった本井英先生の句会とゼミ。 会場はパルコの前の 渋谷区立勤労福祉会館という所だが、閑居していると夕方の渋谷の雑踏には毎 度圧倒される。 よたよた歩いているのを、若い女の子が避けようともせずに、 ぶつかって来る。 兼題は「秋高し」と「落花生」、つぎの五句を出句。

  秋高しよく日の当るビルの壁

  秋高し腹式呼吸試みる

  秋高し元農高の育ちなり

  町中に煎る店ありし落花生

  新豆のビラ待ち通し落花生

 毎日、清水哲男さんの「増殖する『俳句歳時記』」http://zohai.com/ という サイトを覗いている。 冒頭に日替わりで「相原亨の仙台2006秋」という写 真が出ている。 仙台のなんでもない町の風景を切り取ったものなのだが、こ のところ、そのどれもに、よく日の当っているのが、印象に残る。 透明な秋 の大気を感じさせる。

 早朝、散歩していて、ほんとうに気持のよい季節になった。 けれど腹の出 は、いっこうに引っ込まない。 テレビのダイエット番組で、首から下げたペ ットボトルにストローでぶくぶく息を吹き込んで呼吸のコツをつかむのを、や っていた。 体の奥の方の筋肉を動かすとよいともいうので、散歩しながら腹 の底から息を吐いてみたりしてみる。

 『三田評論』10月号「慶應義塾、一枚の写真」「農業高校での実習」は強烈 な写真だ。 天高く、馬肥ゆる秋、二頭曳きのブラウ(犂・すき)で耕作実習 している生徒は、丸帽をかぶっている。 高校一年の時の担任だった建部勇之 助先生の一文も、泣かせる。 私は普通高校の一期生として入学したのだが、 それ以前に荒地を実習農場に整備した先輩たちの大変なご苦労があったことを、 再認識したのだった。

 品川の中延という町で育った。 商店街に相模屋という豆屋さんがあって、 そこで煎っていた豆の香りは懐かしい。 ああいう豆屋さん、いまはもう、ど の町にもあるというわけにはいかなくなった。

 季節になると、近所のお米屋さんが「新豆入荷」の垂れ幕を下げる。 千葉 は八街産の豆だが、これがめっぽうに美味しい。