モンローを借りた話2007/03/10 07:05

ハガキ時代の「等々力短信」172号

 脱線するけれど、「丸善」で思い出すのは、この話だ。 ハガキ時代の1980 (昭和55)年2月15日「等々力短信」172号に書いていた。 ハガキの頃は、 題がなかった。 スペースを節約する意味もあったが、手紙の楽しみを伝える ための、あくまでも手紙であるという創刊の趣旨に沿っていた。 全文を引く。

 わが社はちっぽけな会社のくせに、事務機については丸善と取引がある。  その昔、計量経済学のゼミにいたので、卒論に計算が必要になった。 昭和 38(1963)年当時はまだ電卓がなく、機械式のタイガーという手回しか、電動 のモンローという計算機で、ガタガタと投資函数を推計するといった最小自乗 法の面倒な計算をやっていた。 そのモンローだが、学校には数が少なく、な かなか順番が回ってこない。 友人と語らって、モンローの代理店だった丸善 へ直談判に及んだ。 出てきた課長さんは、この学生の頼みを聞いて、快くモ ンローを貸してくれた。 あの時の嬉しさは忘れられない。  昭和45(1970)年、社内報を謄写版で刷って一年間続けた後で、丸善から ゲステットナーの印刷機を買ってもらった。 なくなった母が「一年を続けし 記念の印刷機ほほえましとは思はざりしや」と詠んだその機械を十年目の先月、 丸善で買い替えた。

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