うらやましい読書会『二十世紀を読む』2008/09/12 07:20

 このところ、かなり歯ごたえのある本を読んでいた。 五人の会著・編『二 十世紀を読む』という私家版である。 五人の会は、石井和夫、伊藤修、小島 晋治、佐伯孚治、櫻井英一の各氏が、6年前から月1回続けている読書会で、 その冒頭報告の記録が50篇を越えたのを機会に、15篇を選んで編まれている。  私は岩波書店の編集者だった伊藤修さんが、丸山眞男さんの『「文明論之概略」 を読む』の編集担当だった時、それを読んで手紙を出して以来、「等々力短信」 を読んで頂いている縁で、この本を頂戴した。

 他の4人の方は存じ上げないが、伊藤さんより9歳から12歳上の80歳前後 で、二人が編集者、あとは映画監督、大学教授をなさった、軍国少年として育 ち、敗戦直後に学生運動を一緒に闘ったお仲間である。 60年余を経て、多く のことを経験をし、多くの本を読み、多くの映画や演劇その他を観た上で、「文 章化された二十世紀の様々な体験を、自分の体験と重ね合わせながら読んで、 語り合う」のだ。 少年時代に受けた影響の大きさから、第二次世界大戦をめ ぐる書物が多く選ばれている。 造詣の深い内容の紹介と読み、鋭い批判、そ の本の現代の日本と世界における意味が探られていく。

 その読書会が実に楽しそうで、まことにうらやましいお仲間というほかない。  扱う本も議論も、私の関心の範囲よりずっと高級なのだが、その中身を紹介し ながら、感じたことを、明日から書いてみたい。

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