「虚子の花の句」など2009/04/18 07:09

 14日は「夏潮」主宰の本井英先生が、俳人協会主催の第20回「花と緑の吟 行会」で「虚子の花の句」という講演をなさったので、大船の鎌倉芸術館まで 行った。 近所に松竹大船撮影所時代からの洋食屋があり、伊豆へ出かける家 内と昼食をする。 ミカサという店で、きっちり11時半にならないと動き出 さない。 週日なのに客が入って来て、それなりの味だった。 二句出句の俳 句大会があり、「ついでに」参加したが、せっかくの名句も協会理事の小澤實先 生(15年前に屋形船句会の時は丸刈り風呂敷包み持参だった)始め諸先生に見 出されるに至らなかった(大笑)のは、残念だった。

  ご金婚言祝ぐやうや花の保ち

  散る花を掌にせんとして幼児の

 本井英先生の「虚子の花の句」は、三つのテーマについて。 (1)虚子の 句を読むには、どんな本があるか、(2)虚子の花の句112句、(3)〈咲き満ち てこぼるゝ花もなかりけり〉(昭和3年)の問題。

 (2)虚子の花の句には、意外に「花の雨」や「落花」の句が多い。 先生 が取り上げた句は、

  帷子に花の乳房やお乳の人      (明治34年)

  里内裏老木の花もほのめきぬ     (明治41年)

  聾青畝ひとり離れて花下に笑む    (昭和7年)

  箸で食ふ花の弁当来て見よや     (昭和11年)

  花の如く月の如くにもてなさん    (昭和12年)

  手を挙げて走る女や山桜       (昭和19年)

 「箸で食ふ」の句は、ドイツのポツダム南方の湖畔の桜の名所ヴェルダーで の作。 花見弁当や虚子の着物姿が注目の的となった。 因みにポツダム宣言 が発せられた1945年7月26日は、本井英先生の誕生日だという。