1972(昭和47)年6月17日土曜日 ― 2012/04/17 03:28
ウォーターゲート事件の経過を見ると、メディアの影響力の中心が、新聞か らテレビに移って行く、大きな潮目の時代だったように思われる。 それを象 徴するような総理大臣の記者会見があった。 ドラマ『運命の人』でも、北大 路欣也の佐橋首相がやっていた。 1972(昭和47)年6月17日の正午過ぎ、 首相官邸の会見室、佐藤栄作総理大臣は自民党総裁辞任会見の冒頭、「偏向的な 新聞は大嫌いだ」「テレビカメラはどこにいるのか。NHKはどこにいる」「私 はテレビと話したい。国民と直接話したいんだ。新聞記者諸君と話さないこと にする。帰ってください」と述べた。 そのため、新聞記者は一斉に退席し、 佐藤首相はテレビカメラに向かって退任する心境を述べたのであった。
この記者会見はテレビで見て、強い印象を受けた記憶があった。 何曜日だ ったのかと、調べてみると土曜日だった。 その頃は、土曜日も仕事をしてい たから、おそらく会社の食堂でテレビを見たのだろう。 その1972(昭和47) 年6月17日土曜日(アメリカ時間だから、記者会見より後だろう)、何とアメ リカでは、ワシントンD.C.のウォーターゲート・ビルで働く警備員フランク・ ウィルズが建物の最下部階段の吹き抜けと駐車場の間のドア上に奇妙なテープ が貼られているのに気付いた。 彼は清掃員が作業中にドアの鍵がロツクされ ないように貼ったものと考えて、何気なくテープをはぎ取ったのだが、すぐさ ま何者かによって貼り直された。 不審に思った彼はワシントン市警に通報、 警察が到着し、同ビルに入居していた民主党全国委員会本部オフィスへの不法 侵入の疑いで5人の男が現行犯逮捕された。 ウォーターゲート事件の発端で ある。
最近のコメント