「ツルの恩返し」という紹介 ― 2013/09/27 06:46
先日、仲間内の情報交流会で、青梅慶友病院の大塚宣夫さんに話をしてもら った。 4月25日の「等々力短信」第1046号「「老後も独立自尊」のすすめ」 を大変喜んでくれた。 そこに書いた『人生の最期は自分で決める』(ダイヤモ ンド社)という本の題名の候補の一つに、「老後こそは独立自尊」があったとい うのだ。 前からこの会で「呆けない方法」を話してもらいたいと思っていた のだが、頼むたびに、忙しいからと断られていた。 この機を逃すまいと、講 演をお願いすることにする。
西洋で「チャンスの神様には前髪しかない」という。 ギリシャ語で機会(チ ャンス)を意味するカイロスという美少年の神様には、前髪しかなく、後頭部 は禿げていた。 前方から来るチャンスとすれちがう時、その前髪をつかまな いと、後ろからでは、ツルリと手が滑ってしまう。
大塚宣夫さんは、慶應志木高校の同級生である。 運動会の仮装行列で、大 塚会長先生が女子高生に扮した写真も持っている。 卒業から20年ほど経っ た頃、「自分の親を安心して預けられる」ような老人病院をつくったという話を 聞いて、付き合いが再開した。 平成元(1989)年6月の新宿三井倶楽部、発 起人が発行人の退潮現象を考慮して、「励ます会」でなく、「等々力短信五百号 記念!!感謝の会」と名付けた会で、スピーチをお願いした。 病院経営という のはほとんど金勘定ばかりしているようなところがあるが、そこへ十日に一度 の短信が来ると、その瞬間だけでもホッとする、自分はよい老人病院を作るた めに、馬場君は五百号までの短信を書くのに、「鶴の恩返し」のように一本一本 の毛を織り込んで来た、と集まってくれた皆さんを笑わせた。 その時、すで に大塚さんは、かなりツルツルだった。
この会で私は会計係、いつもは入口と出口で、集金している。 入口は会費、 出口はワン・ドリンク付超の、一杯当りワン・コインである。 今回、私は大 塚さんを紹介するのに、こんな話をした。 パソコンのWORDで「入口」を 出すのに、「いりくち」では出ない、「いちぐち」でなければ変換しない、濁点 のある、なしは、大事なのである。 そして上の五百号の会のスピーチを紹介 し、落語のマクラで使われる次の狂歌を引いた。 大病院の会長先生にまこと に失礼ながら、高校以来の友達のノリだ。 「ツルの恩返し」である。 「世 の中は、清むと濁るで大違い、人がチャ(茶)を飲み、ジャ(蛇)が人を呑む」、 「世の中は、清むと濁るで大違い、ハケ(刷毛)に毛があり、ハゲ(禿げ)に 毛がなし」。
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