「あの あの あの、あれ あれ あれ」の歌 ― 2012/03/21 04:45
森山良子がコンサートで歌った歌と、「自分の音楽を、面白がりたい」を一緒 に実現したトップ・アーティストは、こんな連中だった。 「すべてが歌にな っていった」、「いとしのポリティカ」バリトン・サックス: その名もSteve Sacks(本名だそうだ)、ギター: 伊藤ゴロー、「6つの来し方行く末」アコーデ ィオン: 岡田徹、ギター: 白井良明、「さよならの夏」(どっかで聴いた歌詞だと 思ったら、映画『コクリコ坂から』テーマ曲だった)チェロ: 結城貴弘、バンド ネオン: 啼鵬、「愛の讃歌」(越路吹雪の歌った詞)ユーフォニアム(チューバ属の 中低音管楽器) : 権藤知彦、“A Little Girl, A Little Boy, A Little Moon”ピア ノ: 塩谷哲、「花柄のライフタイム」ハーモニカ: 松田幸一、“Ale Ale Ale”、バ ンドネオン: 啼鵬、最後に全員で「刺繍を胸に」ペダル・スティール: 高田漣、 ドラムス: 藤井摂、アイリッシュ・ハープ: 吉野友加、ギター: 三好“3吉”功 郎、キーボード: 古川初穂、ベース: Gregg Lee、ギター: 徳武弘文、そして鈴 木慶一。
“Ale Ale Ale”が、傑作だった。 詞: 村上ゆき・森山良子、曲: 村上ゆき、 編曲: 島健。 「ああ あの時の あの Ano Ano Ano/あの人の名前が出て こない/ほら あの時会ったあの人なの/もうわかってるのに思い出せない/ ほら あの時 食べたAle Ale Ale/あの店の名前も出てこない/あなたと行 った いえ あなたじゃなかった/じゃあ だれ それはだあれ」と、続く。
「ああ 今日も忘れた あれを忘れた/とりに戻れば ドアのカギがない/あ れ 確かここに いえ 違うこっちだわ/探す間に 忘れたものを 忘れた わ」と、森山良子は両手でつまんだフレアー・スカートをひるがえす。 還暦、 時を超えて、学び舎の友に、また出会う「どお? 元気?/互いに変わり果て /誰が先生か生徒か わからない」。 「ないないないない わからない つい ていけない/リモコン パソコン 合コン/アイコン マザコン レンコン ダイコン・・・」。 「春が来た ガタが来た どこに来た」。
歌と同じ年代の森山良子が、この長い歌詞を、よく憶えているのに感心する。 さすがにプロ、けして“Ale Ale Ale”とはならない。 そうそう何年か前に、 「30年を2時間半で」という歌があった。 渋谷のデパ地下で、若い日に恋 をした彼と、偶然に会う。 お互い50も半ばを過ぎて、それぞれ一人になっ ていた。 会えば2時間半で、歳月を飛び越える…。 時は流れて“Ale Ale Ale” となった。 身に沁みて聴いている私たちも、森山良子と一緒に歳を重ねてい るわけだ。
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