ブロガー遭難の「失敗学」2006/10/23 07:40

 9月21日「あるブロガーの山岳遭難」の山画新内(蕎麦)太夫さんのことを「失 敗学」に関連して、少し書いてみたい。 遭難までは多趣味な出来事を毎日毎 日たくさんの写真とともに、あれこれ書いておられたのだが、遭難から帰宅以 後は9月28日の「今回の遭難・救助劇の要因と反省」、10月2日「励ましの メール、手紙、電話に感謝」、4日「花に癒されて」、16日「遭難救出後1ヶ月 経過。」ととびとびの書き込みとなり、16日の分では「趣味で続けていた絵も 蕎麦打ちも俳句も、暫く中断とし、16年続けた邦楽・新内&三味線はこれを機 会に退会とし、気持ちを焦らず、余計なことは考えず、気長に養生をと思って いる次第です」とある。 体調は、未だ足先の痺れ、冷身が残る身体的不調が 続いているという。 リタイア後の豊かな趣味生活の日々が、一度の「失敗」 で暗転したのである。 同じような年代の者として、登山はしないが、交通事 故や転倒、病気などによって、同様の暗転が起こる可能性があることを肝に銘 じる必要がある。

 山画新内(蕎麦)太夫さんご自身が総括した「遭難の要因と反省」をまとめて おくことも、何かの役に立つだろう。 (1)体力の過信。 二日目の行程設 定が長すぎ、異常な暑さが疲労に拍車をかけた。 ザックを80L(リットルか) にし、重さが19キログラムもあった。 (2)単独行の失敗、過労と判断力。  沢筋に迷い込んだのは致し方ないとしても、なぜ途中で気がついて元の登山道 に引き返そうとしなかったのか。 最初の二日間の異常な長さ(17時間)の歩 行で疲労困憊し、思考能力を減退させたことが、その原因のようだ(自分では 思ってもみないことが起こるのだ)。 そして沢筋の野営・停滞場所で動けなく なって、ほとんど飲まず食わずで5日間を過ごすのだが、ゴアテックスのシュ ラフカバーを持っていたお蔭で、それをかぶって雨露を凌ぐことができた。(そ れが生還につながったのではないか。) とくに後半の3日間は終日雨に打た れていたのだから…。

 精神的なダメージはかなりのものがあるようだ。 一日も早く氏が気力を回 復され、活動的な山画新内(蕎麦)太夫さんにお戻りになることを祈りたい。

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